速総別王(はやぶさわけのみこ=ハヤブサ)縦480px
【キャラ設定】メドリとデキてしまったことを仁徳天皇に報告できなかった(これがそもそものことの発端か)り、少なくとも物語前半はメドリの方が積極的に主導していることから、少し物静かなイメージ。ただ、逃避行では歌を二首残しているなど、男らしさもあって、その面も意識しました。

速総別王(はやぶさわけのみこ=ハヤブサ)縦500px■速総別王(はやぶさわけのみこ=ハヤブサ)

第十五代応神天皇の皇子。母は、糸井比売(いとひめ)。

異母兄に当たる仁徳天皇が、二人の異母妹にあたるメドリに求愛したく、仁徳天皇はハヤブサを仲人にし、メドリの意向をうかがわせました。三人とも母が違うだけで、父は応神天皇。

その答えが、「あの恐妻家はダメ」というもの。仁徳天皇は皇后イワノを恐れるあまり、寵愛したいはずのメドリの実姉ヤタノにも近づけない始末。「お姉ちゃんもろくに可愛がれない男のものなんかになれるか!」と啖呵を切る。

その勢いもあってか、もともと相思相愛だったのか、仲介役だったハヤブサが、メドリとデキてしまい、早速合体

当然、こんな流れ、ハヤブサは仁徳天皇に報告できず。しかしある日、仁徳天皇とメドリが直接邂逅してしまいます。仁徳天皇が求愛の歌を歌ったのに対して、メドリはあんたなんかムシムシ、ハヤブサとラブラブだよ、という歌を返します。

仁徳天皇、失恋。ショック。

そして、ハヤブサとメドリが寝所でチョメチョメしている時、メドリが甘えて歌います。「あいつキモ~イ。殺っちゃってくんない?」。この歌が仁徳天皇の耳にも入り、二人の反逆が露見、二人は追われます。

愛の逃避行。二人は手に手を取って逃げます。倉椅山(くらはしやま)に上った時、ハヤブサはメドリとの逃避行を歌う歌二首を残しています。

結局二人は追手に殺害されました。現在でも宇陀市には二人が逃げ隠れた岩や二人の最期の場所と伝えられる場所が残されています。

偶然か必然か、登場人物は鳥にちなんでいるのも特徴。メスの鳥(メドリ)をめぐる二羽のオスの鳥、ハヤブサとスズメ(仁徳天皇は大雀命、また日本書紀などでの表記「大鷦鷯尊」における鷦鷯も、スズメの仲間であるミソサザイ)。メドリの歌に、これらの鳥の名を散りばめたものがあります。

異母ながら兄妹間をめぐる三角関係のもつれと兄妹愛の葛藤、古事記の代表的な悲恋物語の一つであり、その主役がハヤブサです。

【関連キャラ】
メドリ - 仁徳天皇を振った女、反逆して誅される
仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
ヤタノ - 女好き仁徳天皇を待ち続ける温厚な姫
イワノ - 古代日本最強の姫は、史上初のツンデレ?

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【一言切り取り】
ハヤブサ「言えね~、言えねーよ…」
ハヤブサ「そこまで嫌いになった?」
ハヤブサ「オマエと二人、どこまでも~」

【収録歌】
ハヤブサ、仁徳天皇への反逆に失敗、愛妻メドリとの逃避行で歌った歌
ハヤブサ、仁徳天皇への反逆に失敗、愛妻メドリとの最期の前に歌った歌

【古事記の神・人辞典】
ハヤブサ

【関連カテゴリ】
14.仁徳天皇

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