天津麻羅(あまつまら)

『古事記』において、天岩戸隠れの段でオモイカネが様々な献策をする中で登場する神。

「鍛人(かぬち)天津麻羅を求(ま)きて」とあるだけで、何をしたのかは書かれていない。その前に「天の金山の鉄(はがね)を取りて」とあることから、イシコリドメが八咫鏡を作るための製鉄を行ったとも考えられる。

「マラ」は「目占(めうら)」すなわち片目の意で、鍛冶が鉄の色でその温度をみるのに片目をつぶっていたことから(または鍛冶の職業病である)とする説などが有力。

天目一箇神(あめのまひとつのかみ)と同一視される。別名は天之麻比止都禰命(あめのまひとつねのみこと)、天久斯麻比止都命などとも。

そうすると、天津彦根命の子であり、天之御影命とも同神となる。

【主な登場場面】
キレた姉アマテラスが引き籠り ストリップショーで解決 - 天岩戸隠れ

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【アマツマラを祀る神社】
荒田神社(多可町) - 少彦名命が降臨して村人を救った式内社、田村麻呂ゆかり
青玉神社 - 天目一箇神を奉斎する祭場、乳の木と夫婦杉、7月に湯立て祭り
天目一神社(西脇市) - 『播磨国風土記』女神の子の父だと判明したタタラの神
天一神社(佐用町) - 弥生期の大陸渡来の銅剣が発掘された、正月参詣は疫病除け
久氐比古神社 - 奈良朝の大干ばつで霊験、剣神社とも、4月に遺風のオケラ餅神事

菅田神社(小野市) - 古代の製鉄氏族菅田首の同族が奉斎、後に住吉、日吉を合祀
住吉神社(中番町) - もとは菅田神社、後に住吉大社の神領となり住吉神を配祀
立岩神社(徳島市) - 金山神社の末社、日本一の巨大陽石、つまり男根が御神体
五泉八幡宮 - 五泉城跡、平安前期の勧請、式内の小布勢、宇都良波志か、廣海歌碑
三条八幡宮 - 三条総鎮守、5月に10万石の格式の大名行列、式内から譲られた太刀

立坂神社(桑名市) - 本田忠勝に祥瑞、矢田八幡とも呼ばれた桑名八幡、式内論社
足見田神社 - 神宮とのかかわり、7月に水まつり「諏訪おどり」、5月に新茶まつり