神直毘神(かむなおびのかみ)

『古事記』に記載のある神。

イザナギが禊を行ったが、「上流は流れが速い。下流は流れが弱い」といって、最初に中流に潜って身を清め、黄泉の穢れ、その禍(まが)を直そうとすると生れた三柱の神のうちの一柱。

その他の二柱は、オオナオビノカミイヅノメ。いずれも直毘神(なおびのかみ、なほびのかみ)で、穢れを払い、禍(まが)を直す神とされる。

イザナギは黄泉の国から戻ると、穢れから身を清めるために、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)の阿波岐原(あはきはら:現在の宮崎県宮崎市阿波岐原町)で禊を行った。そこで、衣を脱ぐと十二柱の神が生まれた。その後に実際に川に入って清めた際、黄泉の穢れから二柱の神が生まれた。禍(まが)を直す、というのは、この黄泉の穢れのこと。

禊で生まれた神々
ヤソマガツヒノカミ | オオマガツヒノカミ - 黄泉の穢れから
・カムナオビノカミ | オオナオビノカミ | イヅノメ - その穢れ、その禍(まが)を直そうとして
ソコツワタツミノカミ | ソコツツノヲノカミ - 水の底で身を清めると
ナカツワタツミノカミ | ナカツツノヲノカミ - 水の中ほどで身を清めると
ウハツワタツミノカミ | ウハツツノヲノカミ - 水の表面で身を清めると

【主な登場場面】
バツイチ・イザナギ、それでも神産み続けてアマテラス、スサノヲ キター!

【関連記事】
ご利益ごとに見る日本の神々 - 健康長寿、金運、開運、出世、交渉、良縁・縁結びなど
[日本全国]初詣で人気の神社、その人出は? 参拝者数ランキングと、古事記の神々

【カムナオビノカミを祀る神社】
警固神社 - 神功皇后の三韓征伐を勝利に導いた警固大神を祀る、キツネ石像破壊事件も
櫻井神社(糸島市) - “あらゆる縁を結ぶ社”筑前黒田家ゆかり、嵐神社の一つ
佐久奈度神社 - 大津大石に鎮座、七瀬の祓い所の一つ祓戸大神総本宮、「大祓詞」創始地
由加神社本宮 - 奈良朝創建の瑜伽大権現、新熊野三山の一つ、讃岐金刀比羅宮との両参り
綾戸國中神社 - 全国唯一の新幹線建設で遷座、祇園祭の久世駒形稚児、豊富な授与品

速川神社(西都市) - ニニギが供の瀬織津姫を亡くして創祀、龍神信仰と卵を供える風習
八所宮 - 宗像赤間、8柱の神を祀る、豊臣秀吉が持ち去った600年前の鐘が昭和に里帰り
葛神社(明日香村阪田) - 式内旧地、式内名神大社の可能性もあるという九頭竜大明神
今城青坂稲実池上神社(上里町) - 新田義貞や歴代の武将に崇敬された奈良期創建の稲荷
甘樫坐神社 - 応神朝以来の盟神探湯、現在は4月第1日曜日に斎行、豊浦展望台の桜

神部神社(甲州市) - 「祓戸ノ九神」祀る岩間温泉の神、室町期随神門、江戸期本殿
木梨神社(加東市) - 崇神朝の創祀、允恭軽皇子が幣帛、藤田三郎の大蛇退治伝説
直江八幡宮 - 源義家が八幡神を合祀、源義経の伝承、上杉景勝や高田藩主の崇敬
日比谷神社 - 新橋・汐留、虫歯・虫封じの鯖稲荷、平成の世に第一京浜沿いに遷座
大井神社(右京区) - 秦氏の葛野大堰、国史「山代大堰神」、角倉了以の崇敬

杣保葛神社 - 愛宕社の杣保神社と牛頭天王の葛神社が合併、古式残す4月例大祭
舟着社 - 日本武尊が東征で船出した船着き場とも、現在は多度神社例祭の御旅所
宇津神社(呉市) - 孝霊朝の勧請、大山祇神社末社の七郎大明神、巨樹ホルトノキ
五泉八幡宮 - 五泉城跡、平安前期の勧請、式内の小布勢、宇都良波志か、廣海歌碑
庄内神社(鈴鹿市) - 式内・天一鍬田神社、八島明神とも、明治期に合祀で改称

【主な御神徳(ご利益)】
浄化除災、厄災除け、諸所改善、開運招福 、健康長寿