波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)

『古事記』に記載のある男神。

カグツチを生んだ際、女陰を負傷したイザナミの大便から生まれる。

「ハニ」(埴)とは粘土のことであり、「ハニヤス」は土をねって柔かくすることの意とされる。自身は男神であり、イザナミの大便から同時に産まれた女神のハニヤスビメノカミとは同一神格ともされる。

第8代孝元天皇の妃の一人にハニヤスビメがいるが、その関連は不明。

負傷したイザナミの吐瀉物・排泄物から生まれた神
カナヤマビコノカミ | カナヤマビメノカミ - 吐瀉物
・ハニヤスビコノカミ | ハニヤスビメノカミ - 大便
ミツハノメノカミ | ワクムスヒノカミ - 尿

【主な登場場面】
イザナギとイザナミの神産み 何も女神のそんなもんから生まれなくても…

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【ハニヤスビコノカミを祀る神社】
二宮神社(福岡市今宿) - 江戸中期の鎮座・遷座、生産豊穣と疫病厄除、福徳の神
上社(伊勢市辻久留) - 伊勢の神宮、外宮の摂末社三社が宮域内にある地域の氏神
鳥出神社 - 「天下の勇祭」鯨船行事で有名な、ヤマトタケル白鳥伝説が残る式内古社
菊池神社(福岡市) - 南北朝時に敗死した菊池武時の胴塚に江戸後期から奉斎した旧県社
高角神社 - 『日本書紀』の高倉山に奉斎、大高角・小高角二座とも、神の夜遊び

波牟許曽神社 - 「はむこそ」は蛇の社、蛇を奉斎か、明治期に合祀も昭和に復社
井於神社 - 井のほとり、三宅郷の水神、近世には「三所明神」、三宅神社
神垣神社 - 古来より高木村の産土、明治に合祀、昭和に復社、式内石田社とも
意非多神社(朝田町) - イボがとれる「疣の神」土ノ宮、明治に合祀も、昭和に復社
鳥墓神社 - 神庤跡に鎮座する式内・国生神社の論社、式内・宇尓神社を合祀

小内神社(長野市) - 泰澄が妙徳山麓に勧請、蓮台寺、式内の越智神社・小内神社
石壺神社 - 風土記期所載社、八岐大蛇の尾を祀った旧尾原村、境内に尾呂地神社
波古神社 - 天平年間に箱ヶ岳から光差し降臨して奉斎、境内は一夜の森・椿の森
寺町八幡神社(世羅町) - 郡内最大の横穴式石室を持つ康徳寺古墳、式内旧地とも
国津神社(壱岐市) - 鹿島神の青波加大明神、式内の国津神社・物部布都神社の論社

丹生神社(小浜市) - 『三代実録』に人名記載、周囲に21基の古墳、水銀と秦氏
倉賀野神社 - 崇神朝の創祀のクニタマさま、「飯玉縁起」飯玉大明神、飯玉さま
賀茂波爾神社 - 土器製作の祖神、江戸期に赤の宮稲荷を勧請、明治に下鴨境外摂社

【主な御神徳(ご利益)】
開墾・農業・陶器業・土木業の守護