国之水分神(くにのみくまりのかみ)

『古事記』に記載のある女神。

ハヤアキツヒコノカミ
ハヤアキツヒメノカミ、つまり夫婦一対である水戸神(みなとのかみ)の子で、夫のアメノミクマリノカミとともに夫婦神として一対とされる。水に関係する神で、特に水の分配を司る神。

水分神(みくまりのかみ)の系列で、祈雨の対象となり、田の神や水源地に祀られるものは山の神とも結びついた。後に、「みくまり」が「みこもり(御子守)」と解され、子供の守護神、子授け・安産の神としても信仰されるようになった。

水戸神の子・四対八柱
アハナギノカミ | アハナミノカミ
ツラノギノカミ | ツラナミノカミ
アメノミクマリノカミ | クニノミクマリノカミ
アメノクヒザモチノカミ | クニノクヒザモチノカミ

【主な登場場面】
イザナギとイザナミの神産み 何も女神のそんなもんから生まれなくても…

【関連記事】
ご利益ごとに見る日本の神々 - 健康長寿、金運、開運、出世、交渉、良縁・縁結びなど
神産み、古事記では35柱と言ってるけど、実際は40柱だったりする、いったい何柱が生まれた?
神と人を結ぶ「神様の結うとおり」という通りに35柱の神々モニュメント設置 - 兵庫県・淡路島

【クニノミクマリノカミを祀る神社】
水天宮 - 久留米の総本宮、按察使の局伊勢が壇ノ浦の戦いから落ち延びて創祀
葛木水分神社 - 水分嶺争いに勝った記念日が例祭の、筋金入り「水分」式内名神大社
都祁水分神社 - 大和国四所水分社の一つ、大和川、木津川の水源の神、室町期の本殿
武水別神社 - 400年続く大頭祭、例大祭前日の仕掛け花火「とんとん」が人気の古社
建水分神社 - 旧河内国、楠木正成が再建した全国唯一の形式の本殿が現存、金剛山鎮守

宇太水分神社(中社) - 鎌倉期造営の国宝の本殿、ロマンティックな菟田野みくまり祭
宇太水分神社(下社) - 芳野川流域の水分三社の一つ、崇神期の創祀とも、式内大社の論社
惣社水分神社(上社) - 宇陀水分三社の一社で女神を奉斎、重文の神輿が1年に1度渡御する
瓢箪山稲荷神社 - 双円墳の手前に鎮座する、辻占(つじうら)総本社で、日本三稲荷
荒城神社 - 境内に縄文遺跡がある飛騨式内八社の一つ、本殿は南北朝期の建立で重文指定

雨宮神社(相良村) - 「トトロの森」に鎮座する雨乞いの神、『夏目友人帳』の舞台の一つ
久佐奈岐神社 - 日本武尊が東征の際に設けた本宮跡に、随伴9万8000人を奉斎したことも
刈田嶺神社(蔵王町遠刈田温泉) - 蔵王権現、安倍氏・奥州藤原氏・伊達氏などの崇敬
美具久留御魂神社 - 崇神朝の創祀、出雲の神剣、河内国二宮とも、10月にだんじり宮入
大宮八幡宮(三木市) - もとの祝田社、別所氏の崇敬、九柱八幡宮、10月屋台の石段登り

桜実神社(榛原笠間) - もとは神祇官の御坐祭神八座の一つ、20年改築、戦国期棟札
朝椋神社 - 白鷺が群集した式内「鷺の森明神」、本居宣長が詠んだ「社霊の松」
清見原神社 - 行幸で休息した地に大伴氏が天武天皇を奉斎、10月にだんじり祭り
板茂神社 - 建水分神社を勧請したとも、古くからの鎮座、子宝、秋にだんじり祭り
龍神社(大阪狭山市) - 粟ヶ池の大蛇を導き、狭山池の中に鎮座、庶民による池信仰

久々志弥神社 - 舒明朝の創立、箕田御厨の地、福住大明神とも、下箕田獅子舞
倉賀野神社 - 崇神朝の創祀のクニタマさま、「飯玉縁起」飯玉大明神、飯玉さま
御井神社(宇陀市) - 食井・気比明神とも、鎌倉中期の再建記録、10月神輿渡御
川合神社(胎内市) - 水神、川合公の祭祀とも、早くから熊野信仰、風倉山に奥宮
小許曽神社 - 後に神明が勧請された西宮三座・東宮二座の五社神明、粥試の神事

若宮神社(益田市) - 式内・菅野天財若子命神社とも、樹勢旺盛な夫婦イチョウ

【主な御神徳(ご利益)】
農業・治水、飲料水、平安安寧