意富斗能地神(おおとのじのかみ)

『古事記』に記載のある神で、神世七代の五代目。『日本書紀』では大戸之道尊。

男神。夫婦とされる妹オオトノジノカミと合わせて、大地が完全に凝固した時を神格化したもので、「ヂ」は男性、「ベ」は女性の意味である。

また、「ト」は「ミトのマグワイ」の「ト」で、性器の象徴であるとする説もある。

神世七代
一代目:クニノトコタチノカミ
二代目:トヨクモノノカミ
三代目:ウヒヂニノカミ | スヒヂニノカミ - 大地が徐々に出来上がっていく
四代目:ツノグヒノカミ | イクグヒノカミ - 生物が発成し育つ
五代目:オオトノジノカミ | オオトノベノカミ - 大地が完全に凝固した
六代目:オモダルノカミ | アヤカシコネノカミ - 人体の完備
七代目:イザナギ | イザナミ - 国産み、島産み、神産み

【主な登場場面】
天地開闢 「造化の三神」と「神世七代」 イザナギとイザナミの誕生

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【オオトノジノカミを祀る神社】
熊野速玉大社 - 「結婚の儀」を定めたイザナギ・イザナミが鎮まる「甦りの旅」
熊野那智大社 - 命の根源たる水が豊富な「那智大瀧」を仰ぐ信仰、熊野三山の一つ
宮浦宮 - 神武天皇のお手植え後継の樹齢1000年を超す夫婦銀杏が有名、鹿児島大隅の式内社
八所宮 - 宗像赤間、8柱の神を祀る、豊臣秀吉が持ち去った600年前の鐘が昭和に里帰り
飯綱神社(長野市) - 総社、飯縄の法で上杉・武田両家の崇敬、皇足穂命神社の大杉

足立神社(西区) - 孝霊天皇の時代に創祀、合祀されて、氷川社が式内社名に改称
十二神社(天理市) - 参拝前に「ワハッハ」と笑う風習、夜都岐神社と社地交換、火の谷
穂見諏訪十五所神社 - 武田信虎が諏訪神を勧請、厳修命じた御筒粥神事が今も続く
稲村神社(常陸太田市) - 日本武尊が「七代天神」を奉斎、物部系の久自国造、光圀の再興
仲村神社(東大阪市) - 仲村連の祖、天児屋根命の父、疱瘡治癒、川瀬の祓いの風習

恵比寿神社(渋谷区) - JR恵比寿駅近くに鎮座、もとは大六天、昭和に西宮神社を勧請
椙山神社 - 平安期に移住、大和大神神社を勧請、「椙」を冠した唯一の杉山社
十二所神社(横須賀市) - 平安期からの十二天、芦名城の鎮守、源頼朝が安産祈願

【主な御神徳(ご利益)】
平安安寧、開運招福、生産増大