天之常立神(あめのとこたちのかみ)

『古事記』に記載のある神で、別天神(ことあまつかみ、別天津神とも)で、最後に現れた一柱。性別はない独神(ひとりがみ)。

まだ地上世界が水に浮かぶ脂のようで、クラゲのように混沌と漂っていたときに、泥の中からが芽を出してくるような勢いで、ウマシアシカビヒコヂノカミの後に生まれた。

天(高天原)そのものを神格化し、天の恒常性を表した神である。

『先代旧事本紀』では造化の三神の筆頭・アメノミナカヌシノカミと同一の神であるとしている。その後に現れるクニノトコタチノカミの方が古くから信仰されてきた神であり、クニノトコタチノカミの対になる神として創造された神と考えられている。

別天津神は全部で五柱であり、造化の三神のアメノミナカヌシノカミと、タカミムスヒノカミカミムスヒノカミ、後の二柱はこのアメノトコタチノカミとウマシアシカビヒコヂノカミになる。このアメノトコタチノカミから後が神世七代、その一代目がクニノトコタチノカミ。

抽象的な神であり、神話に事績が全く出ないことから、祀る神社は少ない。

別天津神に次いで生まれるのが、神世七代の十二柱の神々。

別天津神
アメノミナカヌシノカミ
タカミムスヒノカミ
カミムスヒノカミ
ウマシアシカビヒコヂノカミ
・アメノトコタチノカミ

【主な登場場面】
天地開闢 「造化の三神」と「神世七代」 イザナギとイザナミの誕生

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【アメノトコタチノカミを祀る神社】
駒形神社 - 毛野氏ゆかりの歴代武将や藤原四代に崇敬された駒形大神を祀る古社
総社大神宮 - 聖武勅願からの由緒、オオタタネコの末裔が名を受け継ぐ古社、越前国総社
金持神社 - 「かもち」だが、全国でもここだけ縁起の良い社号を持つ金運パワースポット
石楯尾神社(名倉) - 以前は「エボシ岩」を礼拝した「名倉の権現さま」、式内有力論社
高見神社 - 北九州市、神功皇后が創祀、明治の官営八幡製鐵所ゆかり「ものづくりの神」

足立神社(西区) - 孝霊天皇の時代に創祀、合祀されて、氷川社が式内社名に改称
胸形神社(鹿沼市) - 六つの奇跡の井戸を奉斎、女体権現とも、式内「村桧神社」論社
巽神社(大阪市) - もとは八幡社、明治期に横野堤鎮守の式内・横野神社を合祀
穂見神社(旭町) - 苗敷山権現、山頂に奥宮、山麓に里宮、甲府盆地の湖水伝承
武部八幡宮 - 日本武尊の武部、平安期に八幡勧請、10月に引灯篭や神楽の行列

【主な御神徳(ご利益)】
産業開発・殖産興業・必勝祈願交通安全