長田大郎女(ながたのおおいらつめ=ナガタノ)縦480px
【キャラ設定】肉声があまり伝わってこない姫ですが、復讐鬼マヨワの母ではあるものの、情勢に翻弄された女性、というイメージ。穏やかで、優しく、自己主張しない感じですが、安康天皇がいとこを言いがかりのような形で誅しても手中に収めたいと考えた美しさも、もちろん取り入れました。

長田大郎女(ながたのおおいらつめ=ナガタノ)縦500px■長田大郎女(ながたのおおいらつめ=ナガタノ)

17代履中天皇の皇女(とされる)。履中天皇は古事記において、弟に反逆されて寝ているところを襲われて逃走、逃げ切った後に別の弟をけしかけて反逆した弟を討伐させた天皇として描かれている。

ナガタノは、はじめ、仁徳天皇皇子・オオクサカ(母はカミナガ)と結婚、マヨワをもうける。

安康天皇がオオクサカの同母妹(ワカクサカ)と、安康天皇の同母弟(後の雄略天皇)を結婚させようとし、オオクサカは乗り気だったものの、間に立った使者の讒言を簡単に信じ、オオクサカが反対していると思った安康天皇は、オオクサカを処刑し、その妻であるナガタノを容れて皇后とした。

マヨワは連れ子となった。

ある時、安康天皇は「マヨワが大きくなったら、オレがヤツの実父を殺したこと知って、復讐されるのでは?」とナガタノに悩みを打ち明けたが、当のマヨワ(当時七歳)がそれを聞いていて、ソッコーで安康天皇に復讐、暗殺を成功させる。

恐るべき七歳。

マヨワ、逃亡するが、後の雄略天皇に乱は平定、マヨワも亡くなる。

安康天皇はオオクサカからナガタノを奪い取りたく、簡単に讒言を信じてオオクサカを処刑した節もあり、ナガタノを手中に収めたいと安康天皇が考えさせるほど、ナガタノの美貌が際立っていたともいえる。

しかしそれが、安康天皇の暗殺の原因になろうとは。

とにかく、最初の旦那を殺した男と再婚させられ、最初の旦那との子が復讐としてその再婚相手を暗殺する、という複雑怪奇、数奇な運命を持った姫とは言えそうです。肉声があまり残されてはいないのですが、穏やかな、優しそうな感じのする姫のようです。

ちなみに、古事記にはナガタノに該当する履中天皇皇女は登場せず、同名として登場するのは允恭天皇の皇女。であれば、夫オオクサカを誅し、その妻であるナガタノを強奪し、後に皇后とした安康天皇は、ナガタノの実の弟になります。

安康天皇は長兄のカルミコを実妹カルノとの近親相姦の罪で追放した張本人ですので、自身で皇后を実姉にするとは考えづらくはあるのですが。

【関連キャラ】
マヨワ - 七歳の天皇暗殺犯 激情かつ冷静な皇子
オオクサカ - 日本史上初の讒言による冤罪で処刑される
安康天皇 - 近親相姦を糾弾して皇位に就くも暗殺される
雄略天皇 - 古事記後半の主役は、傍若無人な暴君

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【一言切り取り】
ナガタノ「しあわせよ…だ・け・ど…」

【古事記の神・人辞典】
ナガタノ

【関連カテゴリ】
17.安康天皇

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