短い茅の生えている原や、
小さい谷を過ぎて、
多くの山を越えてきた鐸の音~
置目女媼がやってきますように
小さい谷を過ぎて、
多くの山を越えてきた鐸の音~
置目女媼がやってきますように
歌い手:顕宗天皇
出 典:因果応報を実行する顕宗天皇 窮地での弁当強奪犯を死刑にし、その一族にも処罰
章立て:20.顕宗天皇
志毘臣(しびのおみ)の反逆を機先を制してこれを討ち滅ぼして即位した顕宗天皇。天皇になってからやったことは、非業の死を遂げた父の遺骨探し。
顕宗天皇の父・市辺押歯王は雄略天皇と一緒に狩りに出かけて、雄略天皇の逆鱗に触れ、ソッコーで殺されてしまいました。
その遺骨のありかを教えてくれたのが、近江国(現 滋賀県。市辺押歯王が殺された場所)の老婆(置目老女)。
父の遺骨を無事埋葬した顕宗天皇は、この老婆を近くに住まわせ、鐘を鳴らして毎日のように召し出し、孝行を尽くしました。その尽くしぶりが古事記に書かれているだけでも異常に映るほど。
顕宗天皇は熟女好きだった。。はともかく、その際にこの老婆に送った歌がこれ。
正直言えば何てことない内容の歌ではありますが、顕宗天皇のこの老婆に対する思い入れが伝わってくるような歌ではあります。
【一言切り取り】
・顕宗天皇「よく覚えていたな、ばあちゃん」
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
茅草の低い原や小谷を過ぎて
鈴のゆれて鳴る音がする。
置目がやつて來るのだな。
鈴のゆれて鳴る音がする。
置目がやつて來るのだな。
【関連キャラ】
・顕宗天皇 - 父の復讐に燃え、雄略陵破壊を目論む激情家
・【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集
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