男と女がともに寝るという名のあいねの浜の、
牡蠣の貝がらに足を踏んで、
お怪我しないでくださいね~
夜が明けてから行った方がいいわよ~
牡蠣の貝がらに足を踏んで、
お怪我しないでくださいね~
夜が明けてから行った方がいいわよ~
歌い手:軽大郎女(かるのおおいらつめ=カルノ)
出 典:同母兄妹、禁断の情事 皇位を追われ、伊予に流されて心中する兄妹ふたり
章立て:16.允恭天皇

物語はだいぶ後半ですが、カルノちゃんの肉声はここが初めての登場です。今までは地の文のみの説明だけ。
衣通郎女(そとおしのいらつこ)と呼ばれ、カルミコをとりこにしたカルノちゃん。カルノちゃんもカルミコが心配です。
このまま読めば、足元にお気を付けください、程度の歌になってしまいますが、他のオンナとお痛するんじゃないですよ、夜は体がうずいてオンナ欲しくなるかもしれないから、夜が明けてから出発してくださいな、とも解釈できます。
ともあれ、結構ビシバシ言うことは言うタイプのようなカルノちゃん。カルミコLOVEが高じて、カルミコを追いかけ、伊予まで追っていくことになります。それが次の歌であり、カルノちゃんの登場のラスト、となります。
有名な悲恋物語のヒロインとしては、登場場面少なっ。
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
夏の草は萎えます。そのあいねの濱の
蠣の貝殼に足をお蹈みなさいますな。
夜が明けてからいらつしやい。
蠣の貝殼に足をお蹈みなさいますな。
夜が明けてからいらつしやい。
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