空を飛んでいる鳥も、
私たちの間の使いなのだ~
鶴の鳴く声が聞こえたら、
私のことを鶴に聞いてくれ~
私たちの間の使いなのだ~
鶴の鳴く声が聞こえたら、
私のことを鶴に聞いてくれ~
歌い手:木梨之軽王(きなしのかるのみこ=カルミコ)
出 典:同母兄妹、禁断の情事 皇位を追われ、伊予に流されて心中する兄妹ふたり
章立て:16.允恭天皇

その時に最愛のカルノに対して呼びかけた歌の一首です。
ふたりが隔離されている状況がうかがえます。だからこそ、鳥が二人の使いだ、私のことを聞きたければ取りに聞け、と呼びかけているものとなります。
引き裂かれた二人。伊予に流されるとなれば、物理的にも大変な距離を離れることになりますが、それを考えた時、自由にはばたく鳥が我々の間の使いであることを、カルミコは強く実感したのでしょう。
非常に詩的な歌です。
この歌は古事記において、天田振(あまだぶり)としています。
これに続く、再度のカルノに呼びかける歌は、一変して即物的になります。
【一言切り取り】
・カルミコ「伊予かよ、遠っ」
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
空を飛ぶ鳥も使です。
鶴の聲が聞えるおりは、
わたしの事をお尋ねなさい。
鶴の聲が聞えるおりは、
わたしの事をお尋ねなさい。
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・カルミコ - 禁断の近親相姦に走る日本最古の歌人
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