八田の一本菅は、
一人でおりましても~
あなたさえ、
それでよいとおっしゃったなあ~
いつまでも一人でおりましょう~

歌い手:八田若郎女(やたのわきいらつめ=ヤタノ)
出 典:皇后に浮気ばれて家出された仁徳天皇 嫁を追いかけるも、でも愛人も大事!
章立て:14.仁徳天皇

八田若郎女(やたのわきいらつめ=ヤタノ)縦480px皇后・石之日売命(いわのひめのみこと=イワノ)の家出騒動の発端となった仁徳天皇とヤタノの浮気。仁徳天皇の愛の歌に対して、ヤタノが返した歌です。

何とけなげな、ヤタノの純情一直線さが伝わる歌です。それだけ仁徳天皇をお慕い申し上げている、ということでしょう。

黒日売(くろひめ=クロヒメ)といい、愛人には恵まれる仁徳天皇。これで皇后が怖くなければ、女好き仁徳天皇もウハウハできたのでしょうが。

しかし、このヤタノ、イワノが亡くなった後に皇后となります。

古事記には皇后イワノの死や、その後のヤタノの立后の記述はありません。その意味で、この歌はヤタノが皇后になったことを、古事記なりに示したものかもしれません。

しかししかし、仁徳天皇の女癖、まだまだ治りません。この後、恐妻家過ぎたために内乱が起きます。

【一言切り取り】
ヤタノ「ずーと、待ってます…」

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

八田の一本菅はひとりで居りましても、
陛下が良いと仰せになるなら、
ひとりでおりましても。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

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【関連キャラ】
ヤタノ - 女好き仁徳天皇を待ち続ける温厚な姫
仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁

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