山城の筒木の宮で申し上げたいことがございます~
私の兄が、涙ぐましい努力をしております~
私の兄が、涙ぐましい努力をしております~
歌い手:皇后イワノの侍女・口日売(くちひめ)
出 典:皇后に浮気ばれて家出された仁徳天皇 嫁を追いかけるも、でも愛人も大事!
章立て:14.仁徳天皇
仁徳天皇の皇后・石之日売命(いわのひめのみこと=イワノ)が、旅行に出ている間に、仁徳天皇が八田若郎女(やたのわきいらつめ=ヤタノ)と浮気、その浮気を知ったイワノが家出、山城の筒木にいる百済系渡来人・奴理能美(ぬりのみ)の家に入ります。
それを知った仁徳天皇が慌ててイワノの機嫌を取るために使者・和邇臣口子(わにのおみくちこ=口子)を派遣します。
イワノはもちろんカンカン、口子に会おうともしません。口子も負けじと何とかイワノとの面談の機会を得ようと、雨が降りしきる中、びちゃびちゃ、ぐちゃぐちゃになりながら、這いずり回って、イワノがいるところに現れようとします。
でもシカトするイワノ。
見かねたのはイワノの侍女である口日売。実は口子は口日売の兄。仁徳天皇の女癖の悪さで、兄が涙ぐましい努力をしている、それをイワノに訴える歌がこれです。
イワノも侍女の兄妹と聞かされては心を開かざるを得ません。この歌をきっかけに、この家出騒動、ようやく雪解けに向かいます。
【関連キャラ】
・イワノ - 古代日本最強の姫は、史上初のツンデレ?
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
山城の筒木の宮で
申し上げている兄上を見ると、
涙ぐまれて參ります。
申し上げている兄上を見ると、
涙ぐまれて參ります。
・【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集
コメント