歌い手:仁徳天皇
出 典:皇后の嫉妬におびえて田舎に帰ってしまった愛人を追いかけていく仁徳天皇
章立て:14.仁徳天皇

思い立って、思い切って、クロヒメを追いかけることにした仁徳天皇ですが、イワノ様が怖い怖い。そこでアリバイ作りを考えます。
最終目的地はもちろんクロヒメが帰って行ってしまった吉備ですが、フェイクを入れて、淡路島に向かいます。その際に詠んだ歌がこの歌です。
歌を詠み、「ちゃんと淡路島に向かっているよ~」ということをイワノ様にアピールするためのもので、その歌自身の内容的には、うーん…。しっかし、よくこういう歌が1000年以上も残っていたものです。
内容として特筆すべきは、淤能碁呂島(おのごろじま=オノゴロ島)に言及しているところでしょうか。イザナミとイザナギの国産み(島産み)の拠点となるべく、二人の初めての共同作業でできた、本当に日本で初めての島です。しかし今ではその場所はよく分かっていないのが実情です。
当時はオノゴロ島がどこにあるのか、きっちりと比定されていたのでしょうか。
【一言切り取り】
・仁徳天皇「フフッ、アリバイ工作っと」
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
海の照り輝く難波の埼から
立ち出でて國々を見やれば、
アハ島やオノゴロ島
アヂマサの島も見える。
サケツ島も見える。
立ち出でて國々を見やれば、
アハ島やオノゴロ島
アヂマサの島も見える。
サケツ島も見える。
・【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集
【関連キャラ】
・仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
・クロヒメ - 皇后が怖くて実家に帰った仁徳天皇の妃
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