応神天皇の皇子~
大雀命よ、ああ大雀命よ~
その身に佩いた剣は、
刀身切れ味鋭く、先端細く揺れ撓う~
冬に立つ木の、葉のない幹の下、
さやさやと風に揺れてるよ
大雀命よ、ああ大雀命よ~
その身に佩いた剣は、
刀身切れ味鋭く、先端細く揺れ撓う~
冬に立つ木の、葉のない幹の下、
さやさやと風に揺れてるよ
歌い手:吉野の有力者たち
出 典:応神天皇の皇子が佩いている剣がかっこええ―、と吉野で評判になった歌
章立て:13.応神天皇
応神天皇編に収録されている、応神天皇が出てこない説話の一つにある、吉野の有力者たちの歌です。
大雀命(おおさざきのみこと)、後の仁徳天皇が佩いている剣を褒める歌。剣を褒めつつ、恐らくは仁徳天皇その人を礼賛する、という意図なのでしょう。
しかし、古事記において、仁徳天皇編に描かれている仁徳天皇は、オンナ好きなのに、カミさんに頭が上がらない恐妻家。そのために反乱が起きたり。かまどの説話もありますが、総じて低評価。
ただ、この応神天皇編に出てくる即位前の大雀命は皆から褒められ、応神天皇も自分で探してきた美女を懇願されて譲り渡さなければならないほどの、ある意味での権勢が感じられます。
この歌は、そのままでは正直「あっ、そう」程度の内容ですが、そうした仁徳天皇の古事記における豹変ぶりの端緒となる歌です。
【一言切り取り】
・仁徳天皇「それほどでも、あるって テヘッ」
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
天子樣の日の御子である
オホサザキ樣、
オホサザキ樣のお佩きになつている大刀は、
本は鋭く、切先は魂あり、
冬木のすがれの下の木のように
さやさやと鳴り渡る。
オホサザキ樣、
オホサザキ樣のお佩きになつている大刀は、
本は鋭く、切先は魂あり、
冬木のすがれの下の木のように
さやさやと鳴り渡る。
・【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集
【関連キャラ】
・仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
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