お墓のそばの田の、稲のもみの上で、
ところづらのように、
這い回って、悲しんで泣いているよ~
ところづらのように、
這い回って、悲しんで泣いているよ~
歌い手:ヤマトタケルの遺族
出 典:死んでからも伝説作るヤマトタケル、死後は白鳥になり、遺族を困らせる?
章立て:11.ヤマトタケル
伊吹山の神退治で油断して返り討ちに遭い、瀕死の重傷を負ったヤマトタケルが、能煩野(現 三重県亀山市)で没します。その知らせを聞いて、すぐに能煩野に駆けつけたヤマトタケルの遺族たちによる歌として伝わっている一首です。
遺族たちは嘆き、悲しみます。そうした思いが伝わってくるような歌です。
でも、ヤマトタケルの遺族といえば、ヤマトタケルが勢い余って(?)殺っちゃった、ヤマトタケルの兄・大碓命(おおうすのみこと=オオウス)の親族でもあるのでは…
オオウスは確かに天皇が目をつけたオンナをNTRしたり、素行に問題はありましたが、オオウスを殺しっちゃったことで、ヤマトタケルは父・景行天皇に遠ざけられるようになるのだから、オオウスが親族間でも必ずしも爪はじきものではなかったのでは?
と、すると、ヤマトタケルの死によるこの悲しみようは? まあ、もちろん、ヤマトタケルにはオトタチバナやミヤズの他、故郷に残した複数の妻や、その子どもたち(その中には、後の仲哀天皇も)がいたわけですから、ここでいう遺族、というのは、そういう人たちなのでしょう。
この歌は天皇の葬儀の時に歌われる葬儀の歌の一首とされています。
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
周りの田の稻の莖に、
稻の莖に、
這い繞つているツルイモの蔓です。
稻の莖に、
這い繞つているツルイモの蔓です。
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