美夜受比売(みやずひめ=ミヤズ)のところに置いてきた、
オレの草薙の剣。ああ、オレの剣、その剣よ。

歌い手:倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)
出 典:ヤマトタケルの最期、国を思う歌、置いてきた草薙の剣に思いを馳せ見事逝く
章立て:11.ヤマトタケル

倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)縦480px伊吹山の神退治で油断して返り討ちに遭い、瀕死の重傷を負ったヤマトタケルが、何とか能煩野(現 三重県亀山市)に至った時、国思歌や、その後二つの歌(無事の人向け | 自分の家について)を歌った後、辞世の歌となった歌。

ミヤズちゃんのこと、そこにおいてきた草薙の剣のことを素直に思い描く歌です。

この辞世の歌があるからこそ、ヤマトタケルとミヤズちゃんの愛は永遠のものとなり、草薙の剣が天皇系の三種の神器の一つであるにもかかわらず、特にヤマトタケルの愛剣となったとも言えます。

ミヤズはヤマトタケルに草薙の剣を託された女性としても記憶されていくことになります。今ではヤマトタケル=草薙の剣=ミヤズという関係が完全に浸透しており、それが熱田神宮とも言えます。

古事記において、死について、ここまで紙面を割かれた人はヤマトタケルのみ。いかに古事記においてヤマトタケルが特別なものかを示すものとも言えそうです。

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

孃子の床のほとりに
わたしの置いて來た良く切れる大刀、
あの大刀はなあ。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

【パワースポット】
氷上姉子神社 - 大らかで前向きなミヤズに思いを馳せると人生楽しめる?

【関連キャラ】
ヤマトタケル - はっちゃけ皇子の英雄譚、最期は?
ミヤズ - 「生理だけど、何か?」の奔放な姫

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