大和は、日本の中で、最も高く秀でたところだ~
青々とした垣根のように、重なり合った山々に、
包まれた大和は素晴らしい~

歌い手:倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)
出 典:ヤマトタケルの最期、国を思う歌、置いてきた草薙の剣に思いを馳せ見事逝く
章立て:11.ヤマトタケル

倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)縦480pxヤマトタケルが、尾張(現 愛知県)の美夜受比売(みやずひめ=ミヤズ)と結ばれ、浮かれたのか、ミヤズの家に草薙の剣を置いたまま、調子こいて伊吹山の神退治に出かけたところ、返り討ちにあって、瀕死の重傷を負って、今の三重県桑名市の尾津岬で一首歌った後に、さらに逃げて、能煩野(現 三重県亀山市)に到着した時に歌った歌。

国思歌、故郷を思う歌として有名です。「まほろば」の言葉が出てくる歌です。この能煩野がヤマトタケル最期の地になります。

大和は奈良県のことなのか、それとも日本そのものを指すのか、解釈が分かれるところですが、ここでは故郷の奈良県の意味である大和を使っています。

山々の重なりを美しく思うなど、現代と感覚が全く一緒ですね。また、山に囲まれていることが美しいともしていますが、今よりももっと山を神聖視していた当時の考えが反映したものでしょうか。

この歌の頃はまだ少し元気でしたが、あと三首で、英雄ヤマトタケルも力尽きます。

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

大和は國の中の國だ。
重なり合つている青い垣、
山に圍まれている大和は美しいなあ。

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