尾張に行く途中でちょっと飯休憩した尾津岬の一本松よ、
なあ、一本松、
もしお前が人であったならば、刀をつけてやろう、
着物を着せてやろう。どうだうれしいか~
なあ、一本松、
もしお前が人であったならば、刀をつけてやろう、
着物を着せてやろう。どうだうれしいか~
歌い手:倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)
出 典:ヤマトタケルの最期、国を思う歌、置いてきた草薙の剣に思いを馳せ見事逝く
章立て:11.ヤマトタケル

尾津岬は現在の三重県桑名市付近。今でも尾津神社があり、ヤマトタケルが祀られています。
そこに東国遠征の行きしに自分が置いてきた剣が立てかけてあるのを見て歌ったものです。瀕死の重傷を負って、元気だった東国遠征前の自分の姿を思い描き感傷に浸ったのかもしれません。
そもそも現在でもつかわれている、この「三重(みえ)」という地名、ヤマトタケルが落ち延びてきた時に、足が三重に曲がってしまうほど疲れた、痛い、と言ったことが由来とか。
このまま、ヤマトタケルの死に進んでいきます。死に際して残した四首の歌がこれから続きます。
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
尾張の國に眞直に向かつている
尾津の埼の
一本松よ。お前。
一本松が人だつたら
大刀を佩かせようもの、着物を著せようもの、
一本松よ。お前。
尾津の埼の
一本松よ。お前。
一本松が人だつたら
大刀を佩かせようもの、着物を著せようもの、
一本松よ。お前。
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