チョー強い出雲健が腰につけている刀は
つづらがたくさん巻いてある立派なものだが、
中身がない~ ああ~、かわいそうに~
つづらがたくさん巻いてある立派なものだが、
中身がない~ ああ~、かわいそうに~
歌い手:倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)
出 典:熊襲征伐の帰り、ついでに出雲も、今度は友人装って騙し討ちするヤマトタケル
章立て:11.ヤマトタケル
ヤマトタケルが、熊襲健(くまそたける)の討伐の帰りに出雲にも立ち寄って、出雲健(いずもたける)を騙し討ちした後に歌った歌。
熊襲健の時は男の娘(女装)でしたが、出雲健の時は友人を装い、自分の刀剣に細工しておいてから、水浴びして、その際に刀剣を取り替えっこして、細工した自分の刀剣を出雲健に持たせ、「さあ、斬り合おう」と、出雲健の本物の刀剣で出雲健をぶった斬ります。
ヤマトタケルに細工された刀剣を持たされた出雲健、なすすべなく、ヤマトタケルに斬られます。
うーん、討伐なので、キレイ事ばかりではないのでしょうが、あまりにも卑怯…けふけふ、ごふごふ。
この歌は、その模様を歌ったもの。自分の策があまりにもうまく当たった、ヤマトタケルのドヤ顔が目に浮かぶようですが、騙し討ちに対して、罪悪感ナッシングなところもヤマトタケルの奔放さ。
この後東国遠征に出かけることになりますが、熊襲、出雲の西国遠征では唯一の歌になります。
【一言切り取り】
・ヤマトタケル「剣、取り替えない?」
・出雲建「なんで剣、取り替えるの?」
・出雲建「ちょっ、待って。この剣…」
※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。
雲の叢り立つ出雲のタケルが腰にした大刀は、
蔓を澤山卷いて刀の身が無くて、きのどくだ。
蔓を澤山卷いて刀の身が無くて、きのどくだ。
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