葦の生えている野原の汚い小屋に、
清らかな菅畳を敷いて愛し合ったね

歌い手:神武天皇
出 典:中央進出の神武天皇が改めて嫁取り、絶世の美女の出生譚はまさかのスカトロ?
章立て:8.神武天皇

神武天皇縦480px神武天皇が新たに得た皇后・比売多多良伊須須気余理比売(ひめたたらいすけよりひめ=イスケヨリ)との情事を神武天皇が回想した歌。神武天皇本人としては古事記では二首目、一首目が歌と呼べるかどうか不明なため、ほとんど唯一の歌と言っても差し支えないものかもしれません。

どうにも天つ神系、歌が不得手のような気がしてなりません。積極的に、生き生きとした歌を歌っているのは国つ神系が圧倒的に多いのは事実で、ここまでで、天つ神系の歌は、山幸彦が一首と、神武天皇が二首だけであり、他はすべて国つ神系によるものです。

それはともかく、神武天皇のほとんど唯一の歌は、素朴ながら、イスケヨリへの愛をしっかりと歌い上げている、見事なものだと言えます。糟糠の妻ではないですが、神武天皇とイスケヨリが相思相愛、幸せだったことは間違いないでしょう。

それなのに、神武の死後、イスケヨリは義理の息子(それこそ、神武が中央進出前に日向で娶った女との間の子)に求められて(強制されて?)再婚させられます。。

【一言切り取り】
神武天皇「いっぱいエッチしたよね~」

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

アシ原のアシの繁つた小屋に
スゲの蓆を清らかに敷いて、
二人で寢たことだつたね。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

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【関連キャラ】
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イスケヨリ - 神武皇后、スカトロ的出生譚の美女


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