縦を並べて伊那佐の山の木の間から、
行ったり来たりして敵を見張り、
戦をしていると、腹が張ってくる。
食事係の鵜飼たちよ、今すぐ食べ物を持ってきてくれ。

歌い手:久米人=大久米命(おおくめのみこと)
出 典:敵を歓待して騙し討ち、実兄殺されたリベンジも果たして東遷コンプリの神武天皇
章立て:8.神武天皇

大久米命(おおくめのみこと)縦480px神武天皇の東遷において、東遷最終局面の戦いの時に歌われた歌です。

また、久米歌最後の一首でもあります。

殺伐さはほかの久米歌ほどはないですが、戦いで腹が減ったから、飯を持ってきてくれ~、という、なんだかほほえましさ漂う光景が目に浮かびます。

兄師木(えしき)・弟師木(おとしき)という最後の敵を討伐し、反抗するすべての国つ神の討伐に成功、東遷は完了します。

神武天皇は、大和に根を張り、畝傍(うねび)の橿原宮(かしはらのみや)で天下を治めることになりました。

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

楯を竝べて射る、そのイナサの山の
樹の間から行き見守つて
戰爭をすると腹が減つた。
島にいる鵜を養う人々よ
すぐ助けに來てください。

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