歌い手：豊玉比売（とよたまひめ＝トヨタマ）
出　典：竜宮城の嫁が陸に上がって出産、その時、夫は？　山幸彦、父になる
章立て：7.海幸彦と山幸彦

竜宮城の姫トヨタマが、お産の際に自分の正体（ワニ）に戻っていたところを、夫で、浦島太郎役の火遠理命（ほおりのみこと＝山幸彦（やまさちひこ））に「覗くな」と釘を刺していたのに覗かれて、恥ずかしさと怒りで逃げ隠れてしまったが、やっぱり山幸彦のことが忘れられなくて、愛おしくて歌った歌。

生まれた子の養育を頼んでいた妹のタマヨリに頼んで山幸彦に届けてもらいました。

トヨタマちゃんは、古事記に登場する姫の中でも男性（山幸彦）に主導的、積極的に愛をぶつけまくる珍しいタイプの可愛らしい姫。ワニという正体を見破られて恥ずかしくて思わず逃げちゃったけど、どうしても忘れられないよ～というトヨタマちゃんの気持ちが伝わる歌です。

この歌を受け取った山幸彦も歌をトヨタマちゃんに返します。報われました、トヨタマちゃん。

ワニの姿で出産した山幸彦との子・天津日高日子波限建鵜草葺不合命（あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと＝ウガヤフキアエズ）が初代天皇・神武天皇の父になります。

【一言切り取り】
・トヨタマ「恥ずかしいけど、愛おしいよ～」

※下記は、現代語譯　古事記　稗田の阿禮、太の安萬侶　武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。


・【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

【関連キャラ】
・トヨタマ - 竜宮城の姫、神武の祖母はワニだった 
・山幸彦 - 神武の祖父は竜宮城に行く、浦島太郎？

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