ぶっちゃけ、いろいろと現地妻作っているし、
正直、女たくさんいるわ。
でも、その中でも俺に似合っているのはなかなかいねえよ。
沖の鳥が気に入ってくれたのは出雲にいるただ一人だったよ
(つまり、オマエだけだ)。

いとしい妻よ、お前は俺が遠くに旅立っても
泣かないとか強がっているけど、
陰では泣いているんだろう。
知ってるぜ。無理すんなっ。
若草のような若々しいお前が一番さ。

歌い手:大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)
出 典:現地妻作りすぎて、嫁さんに絡まれるオオクニヌシ「でも、オマエが一番さ」
章立て:4.オオクニヌシ

大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)縦480px越の国(現 新潟県)の沼河比売(ぬなかわひめ=ヌナカワ)をはじめ、日本全国に現地妻を作りまくった女好きオオクニヌシ。正妻にもフォローが必要です。何といっても正妻は、恐怖の荒ぶる神・建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと=スサノヲ)の娘です。

正妻・須勢理毘売命(すせりびめ=スセリ)は、日本初の嫉妬する妻でもあります。複数のオンナを囲む男が普通だった古代、普通の女性でも嫉妬に狂いそうですが、書物に記載されるほど嫉妬深かったら、その人の気持ち、たまったもんじゃなかったでしょうね。

オオクニヌシがスセリにフォローするために送った歌です。しっかし、フォローになってねー、というのは現代の感覚でしょうか。出だしから、「たくさんオンナ囲ってる」ことを明言(事実だからしょうがない?)、むしろそれを誇らしがっています。

その上で、「でも、オマエがやっぱり一番」として、「無理して強がんなよな」と呼びかけます。女遊びしていても、少しはスセリを気にしていることは、伺えます。。

……オオクニヌシの豪快さ(女方面の)がストレートに表れている歌と言えそうです。

「神語り」の結末句「お語りいたすはかくのごとくに」がある歌です。

【一言切り取り】
オオクニヌシ「まあ、そう焼き餅やくなや」

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

カラスオウギ色の黒い御衣服を
十分に身につけて、
水鳥のように胸を見る時、
羽敲きも似合わしくない、
波うち寄せるそこに脱ぎ棄て、
翡翠色の青い御衣服を
十分に身につけて
水鳥のように胸を見る時、
羽敲きもこれも似合わしくない、
波うち寄せるそこに脱ぎ棄て、
山畑に蒔いた茜草を舂いて
染料の木の汁で染めた衣服を
十分に身につけて、
水鳥のように胸を見る時、
羽敲きもこれはよろしい。
睦しのわが妻よ、
鳥の群のようにわたしが群れて行つたら、
引いて行く鳥のようにわたしが引いて行つたら、
泣かないとあなたは云つても、
山地に立つ一本薄のように、
うなだれてあなたはお泣きになつて、
朝の雨の霧に立つようだろう。
若草のようなわが妻よ。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

【パワースポット】
御向社 - 浮気性にご利益? スセリにあやかり気丈に振舞える女子力を

【関連キャラ】
オオクニヌシ -  国つ神のドンは破天荒な女好き

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