20.顕宗天皇
20-1.置目老女
顕宗天皇(袁祁王(をけのみこ=弟))は近飛鳥宮(ちかつあすかのみや)で天下の政治を司りました。皇后は難波王(なにわのみこ)を立てましたが、子はできませんでした。
顕宗天皇の父・市辺押歯王は雄略天皇と一緒に狩りに出かけて、雄略天皇の逆鱗に触れ、ソッコーで殺されてしまいましたが、顕宗天皇はその父の骨を探したいと思いました。雄略天皇は市辺押歯王を殺した後、その遺骸をわからないように地中に埋めたため、所在が不明でした。
そんな時、近江国(現 滋賀県。市辺押歯王が殺された場所)の老婆が顕宗天皇の前に現れて曰く「陛下のお父上の遺骨のありか、知っておるだに。お父上の、押し重なっている独特な歯の形も知っておるだに」
そこで顕宗天皇は人を遣わして、老婆の言う場所を掘り返したところ、遺骨を探し出して、間違いなく父・市辺押歯王のものだと分かりました。
顕宗天皇は蚊屋野(現 滋賀県蒲生郡日野町鎌掛付近? 市辺押歯王が殺された場所)の東の山にお墓を作って、その骨を埋め、丁重にお祀りしました。また、遺骨を都に持ち帰らさせました。
また、遺骨のありかを覚えていた老婆を褒め、置目女媼(おきめのおみな)という名を贈りました。
それからの顕宗天皇はこの老婆を大変慈しみ、家を宮の近くに作り、毎日必ず鐸を鳴らしてお呼びになりました。また、歌も歌っています。
しかし、さらに年を重ねた置目女媼は、故郷の近江に戻りたいと、顕宗天皇にお暇を告げます。快諾して、見送る顕宗天皇が歌った歌は。
さて、次に、父・市辺押歯王が殺された時、兄・意祁王(おおけのみこ)とともに逃げ出した際、途中でお弁当を強奪されたことについて、犯人が自分から名乗った「山城の猪飼」を探し求めました。
ついには探し出し、飛鳥川の河原で斬りました。さらに、その一族の者すべての膝の筋を切りました。そのため、その子孫が大和(現 奈良県)に来ると、必ず足を引きずる、と言われるようになりました。また、その犯人が住んでいた所を探し出したので、名付けて志米須(しめす)と呼ぶようになりました。
※画像は、「近飛鳥宮」Google画像検索結果のキャプチャー
【関連記事】
・八嶋智人さん「古事記には様々な愛の形の物語」、一つ一つを列挙 - 古事記の恋バナまとめ
【関連キャラ】
・顕宗天皇 - 父の復讐に燃え、雄略陵破壊を目論む激情家
・仁賢天皇 - 引っ込み思案も冷静な頭脳で弟の汚名を救う
【古事記の神・人辞典】
・意祁王(後の第二十四代仁賢天皇)
・袁祁王(後の第二十三代顕宗天皇)
・イチノベノオシハ
・ヤマシロノブタカイ
・カラフクロ
・置目老媼
・ナニワ
20-1.置目老女
顕宗天皇(袁祁王(をけのみこ=弟))は近飛鳥宮(ちかつあすかのみや)で天下の政治を司りました。皇后は難波王(なにわのみこ)を立てましたが、子はできませんでした。
顕宗天皇の父・市辺押歯王は雄略天皇と一緒に狩りに出かけて、雄略天皇の逆鱗に触れ、ソッコーで殺されてしまいましたが、顕宗天皇はその父の骨を探したいと思いました。雄略天皇は市辺押歯王を殺した後、その遺骸をわからないように地中に埋めたため、所在が不明でした。
そんな時、近江国(現 滋賀県。市辺押歯王が殺された場所)の老婆が顕宗天皇の前に現れて曰く「陛下のお父上の遺骨のありか、知っておるだに。お父上の、押し重なっている独特な歯の形も知っておるだに」
そこで顕宗天皇は人を遣わして、老婆の言う場所を掘り返したところ、遺骨を探し出して、間違いなく父・市辺押歯王のものだと分かりました。
顕宗天皇は蚊屋野(現 滋賀県蒲生郡日野町鎌掛付近? 市辺押歯王が殺された場所)の東の山にお墓を作って、その骨を埋め、丁重にお祀りしました。また、遺骨を都に持ち帰らさせました。
また、遺骨のありかを覚えていた老婆を褒め、置目女媼(おきめのおみな)という名を贈りました。
それからの顕宗天皇はこの老婆を大変慈しみ、家を宮の近くに作り、毎日必ず鐸を鳴らしてお呼びになりました。また、歌も歌っています。
しかし、さらに年を重ねた置目女媼は、故郷の近江に戻りたいと、顕宗天皇にお暇を告げます。快諾して、見送る顕宗天皇が歌った歌は。
さて、次に、父・市辺押歯王が殺された時、兄・意祁王(おおけのみこ)とともに逃げ出した際、途中でお弁当を強奪されたことについて、犯人が自分から名乗った「山城の猪飼」を探し求めました。
ついには探し出し、飛鳥川の河原で斬りました。さらに、その一族の者すべての膝の筋を切りました。そのため、その子孫が大和(現 奈良県)に来ると、必ず足を引きずる、と言われるようになりました。また、その犯人が住んでいた所を探し出したので、名付けて志米須(しめす)と呼ぶようになりました。
※画像は、「近飛鳥宮」Google画像検索結果のキャプチャー
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・仁賢天皇 - 引っ込み思案も冷静な頭脳で弟の汚名を救う
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・意祁王(後の第二十四代仁賢天皇)
・袁祁王(後の第二十三代顕宗天皇)
・イチノベノオシハ
・ヤマシロノブタカイ
・カラフクロ
・置目老媼
・ナニワ
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