
13-8.皇位を譲り合う兄弟
応神天皇が亡くなり、大山守命(おおやまもりのみこと)の乱が平定されると、その皇子で政治を任されていた、兄の大雀命(おおさざきのみこと)と、応神天皇にすでに皇太子に指定されていた弟の宇遅能和紀郎子(うじのわきのいらつこ=和紀郎子)は、たがいに天下を譲り合います。
海人が天皇の食料を奉ったのに、兄の大雀命は、「オレっちが受け取るものではない」と言って、弟にそれを受け取らそうとしました。
しかし弟の和紀郎子も、「ボクちんが受け取るものではない」と言って、兄に受け取らそうとしました。

そこで「あまなれや おのがものからねになく」の諺が生まれました。普通ものを持つと喜ぶのに、海人であるがゆえに、ものを持っている辛さを感じる、ということでしょう。
本来美しい譲り合いの話のはずなのですが、二人の譲り合いが少なからず天下に迷惑をかけた、ということを示唆しているのでしょうか。
しかし、和紀郎子は早くにお亡くなりになったため、兄の大雀命が正式に即位することになりました。仁徳天皇です。
※画像は、「大雀命 和紀郎子 海人」Google画像検索結果のキャプチャー。
【関連キャラ】
・仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
・応神天皇 - 自身の登場シーンがあまり多くない天皇
・和紀郎子 - 応神皇太子は、貴公子然として朗らかな皇子
・大山守命 - 徹底的に貶められる仁徳の兄 裏ありソス
【古事記の神・人辞典】
・和紀郎子
・仁徳天皇(大雀命)
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