大雀命13.応神天皇
13-5.吉野の有力者たち


応神天皇の皇子・大雀命(おおさざきのみこと)が佩いている剣を見て、吉野の有力者たちがその剣を褒めそやした歌が歌わっています。

応神天皇の皇子~
大雀命よ、ああ大雀命よ~
その身に佩いた剣は、
刀身切れ味鋭く、先端細く揺れ撓う~
冬に立つ木の、葉のない幹の下、
さやさやと風に揺れてるよ

また、吉野の有力者たちは吉野にある樫の木で横臼を作り、その横臼でおいしいお酒を造りますが、その時、口鼓を打って舞いながら歌を歌いました。

樫の木の生える林で、横臼を作り~
その横臼を使い、造ったおいしいお酒~
どうぞおいしく召し上がれ~
我々の父君よ~

仁徳天皇縦480px古事記に載っている歌なので勘ぐりますが、お酒になぞらえて、お酒を箱入り娘に置き換えても意味が通じそうです。

この歌は、吉野の有力者が天皇に貢物をする時にいつも歌う歌として、声を張り上げて歌われる歌として定着したようです。

オヤジの女をNTRしたり、大雀命(後の仁徳天皇)が相当な権勢を誇っていたことが察せられるエピソードです。後日の聖天子伝説への前振りでしょうか。

※画像は、「大雀命」Google画像検索結果のキャプチャー。

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【古事記の神・人辞典】
仁徳天皇(大雀命)

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