住吉三神12.神功皇后
12-2.新羅遠征


仲哀天皇の神事における急死を乗り越え、引き続き神懸り状態の仲哀天皇の皇后・息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと=神功皇后)と、建内宿禰大臣(たけうちのすくねのおおおみ=建内宿禰)が神のお告げを聞きます。

神功皇后縦480px神功皇后(神懸り)「この国は、神功皇后のお腹に宿っている子どもが統治する国である」
建内宿禰「その御子は、男の子でしょうか、女の子でしょうか」
神功皇后(神懸り)「男の子である」
建内宿禰「あなた様のお名前をお聞かせいただけませんでしょうか?」
神功皇后(神懸り)「これは、天照大御神(あまてらすおおみかみ=アマテラス)の御心である。また、底筒男(そこつつのお)、中筒男(なかつつのお)、表筒男命(うわつつのお)の三柱の大神である」

この三柱の大神は住吉三神と呼ばれており、福岡市博多区にある住吉神社では、主祭神がこの住吉三神で、配祀神がアマテラスと神功皇后で、この逸話にちょうど対応しています。

建内宿禰縦480px神功皇后(神懸り)「お前たちが今ホントに、海の向こうの国が欲しいと思うなら、天つ神、国つ神ばかりか、山の神や川の神など、すべての神に御幣を捧げ、わたしの魂を船の上に祭って、檜の灰を瓢箪に入れ、また、箸と柏の葉で作った平たい食器をたくさん作って、それらを皆、大海に散らし浮かべて渡るがよい」

そこで細かなことまで神様が指定してくれたことを細々と行い、軍隊を整え、船を並べて海を渡ると、追い風が起こって、船は波とともに大いに進みました。とうとう、その船は新羅国(しらぎのくに)に押し寄せて、ついにその国の真ん中まで来てしまいました。

新羅の国王は恐れ、謹んで曰く。「これから後は、天皇のご意志のままに、馬飼として、毎年多くの貢物を積んだ船を並べます。船の腹や竿、舵を乾かして船を送らないという年はなく、天地の続く限り、怠ることはなく、天皇にお仕えいたします」

そういうわけで、新羅国を馬飼と定め、百済国(くだらのくに)を海向こうの天皇の領地と定めました。

そして、神功皇后は持っていた杖を新羅の国王の宮殿の門に突き刺して、そこに住吉大神の荒魂を祭って、日本の国を守る神として、そこに鎮め祭って、海を渡って帰って行きました。

※画像は、「住吉三神」Google画像検索結果のキャプチャー。

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【古事記の神・人辞典】
神功皇后
建内宿禰

ソコツツノヲノカミ | ナカツツノヲノカミ | ウハツツノヲノカミ - 住吉三神
アマテラス

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