
11-1.教育=殺害
景行天皇は、美濃の大根王(おおねのみこ=オオネ)の兄比売(えひめ=エヒメ)・弟比売(おとひめ=オトヒメ)という二人の娘が、大変な美しさだということを聞いて、皇子の大碓命(おおうすのみこと=オオウス)を遣わして、宮中に召し上げようとしました。
しかしオオウスは二人の美女を景行天皇に差し出さず、さっさと自分で手を付けてしまい、別の女性を二人用意して、偽って景行天皇に献上しました。
景行天皇はオオウスの企みに気づきましたが何もおっしゃらず、オオウスが提供した偽のエヒメ・オトヒメは近づけず、この二人の女性を暗に苦しめました。
しばらくして景行天皇は、もう一人の皇子である小碓命(おうすのみこと=オウス)に曰く「なぜかお前の兄、オオウスは朝夕の食事に出席しない。宮中の大切な儀式なのに。ご苦労だが、オオウスに教え諭して、出席するように言ってきてくれ」
こう言った後も、オオウスは五日間、やはり食事に出席しません。不思議に思った景行天皇は、

オウス「おっかしーなー、十分に教え諭したんだけどな~」
景行天皇「どのように教え諭したんだね」
オウス「朝、オオウスが便所に行こうとするのを待ち構えて、その手足をへし折って、むしろにくるんで投げ棄てました テヘッ」
景行天皇「……(食事に来るようにと伝えよと言っただけなのに、いきなり殺っちゃう? オウス、パネェ~)……」
このはっちゃけた皇子・オウスこそ、倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)です。
※画像は、「小碓命」Google画像検索結果のキャプチャー。
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【古事記の神・人辞典】
・景行天皇
・オオウス
・オウス(ヤマトタケル)
・オオネ
・エヒメ | オトヒメ
・オシクロノエヒコ | オシクロノオトビコ
・イナビノオオイラツメ
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