活玉依媛9.崇神天皇
9-2.オオタタネコのルーツ


三輪山の神主になって、大物主神(おおものぬしのみこと=オオモノヌシ)を祭った意富多多泥古(おおたたねこ=オオタタネコ)。

そのルーツはもちろん、オオモノヌシにたどり着くのですが、そのオオモノヌシと、活玉依媛(いくたまよりひめ=イクタマ)の物語。

イクタマは、それはそれは姿・形が美しい娘でした。また、一人の男がいて、その姿、形、身振り、態度はやはり比べようがないほど美しかったと言います。

活玉依媛(いくたまよりひめ=イクタマ)縦480pxその男が毎晩、イクタマの寝床に、風のようにやって来て、お互い好きになって、チョメチョメするようになりました。もちろん、イクタマは妊娠します。

結婚もしていないイクタマが妊娠したのをいぶかしんだイクタマ父母。イクタマにわけを聞くと。

イクタマ「立派な男性がいて、名前は知りませんが、毎晩やって来て、寝所を共にしている間に、自然に子どもができました テヘッ」

自然には子どもはできんわな~とは思いますが。ともかく、イクタマ父母は相手の男の正体を知りたいと思い、「赤土を寝所にまきちらし、輪に巻いた麻の糸に針を付けて、その針を男の衣の裾に差しておけ」とイクタマに命じました。

大物主神(おおものぬしのみこと=オオモノヌシ)縦480px翌朝見てみると、針を付けた麻糸は、寝所の鍵穴を通って、わずか三巻(三輪)の麻糸が残っているのみ。さらに糸をたどっていくと三輪山にたどり着いた、というお話。

だから、相手の男はオオモノヌシだった、というわけで、オオタタネコの祖先の経緯、というわけ。もちろん、三輪山の名の由来は、三輪の麻糸が残っていたところからとなっています。

オオモノヌシとイクタマの家系から、オオタタネコという崇神天皇を悩ました怨霊に対する切り札が出てきたという説明譚ですね。

それにしてもオオモノヌシ、神武天皇の皇后・比売多多良伊須須気余理比売(ひめたたらいすけよりひめ=イスケヨリ)の母と合体して、イスケヨリを産ませたり、よくよく美女のいるところに出没して、合体します。

※画像は、「活玉依媛」Google画像検索結果のキャプチャー。

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【関連キャラ】
イクタマ - 三輪山オオモノヌシにゲットされた美女
オオモノヌシ - 祟ると寝取るの神様は三輪山のドン
オオタタネコ - 史上初の神主? オオモノヌシを祀る

【古事記の神・人辞典】
オオモノヌシ
オオタタネコ
スエツツミ | イクタマ | クシミカタ | イイカタスミ | タケミカヅチノミコト

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