神武天皇 熊野 高倉下8.神武天皇
8-2.佐士布都神という名の剣


神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ=神武天皇)は、同母兄の五瀬命(いつせ)とともに東征を開始しましたが、九州を北上、本州を四国を抜けて、岡山から海路、関西へ突入しようとしてその水際で登美能那賀須泥毘古(とみのながすねびこ=ナガスネビ)の軍隊に手痛い敗北、敗走途中の紀伊半島で五瀬命は、敗戦時に負った傷がもとで帰らぬ人となってしまいました。

神武天皇縦480pxそれでもめげずに神武天皇は熊野に向かいます。

そこで不思議な光景に遭遇します。大きな熊がぼんやりと出たり入ったりして、すぐに姿を消してしまうというものです。熊野の荒ぶる神々の仕業のようです。

それを見た神武天皇はたちまち気を失ってしまい、その軍隊もすべて気を失って倒れてしまったのです。

幻術か、神経ガス攻撃を喰らったのでしょうか。当時、呪術などで大麻を使った集団催眠が使われていた痕跡があるので、(天然の)神経ガスを発生させて攻撃に生かすということがあったかもしれません。

その時、熊野の高倉下(たかくらじ=タカクラジ)が神武天皇が倒れているところへ来て一振りの刀剣を差し上げると、神武天皇はすぐに目を覚まして曰く。

神武天皇「あ~あ、よく寝た」

そうして神武天皇はその刀剣を受け取ると、熊野の荒ぶる神々はひとりでに切り倒されていったといいます。「フシギ剣」ですね。また、気を失って倒れていた神武天皇軍も、復活!

天照大御神(あまてらすおほみかみ=アマテラス)縦480pxそこで神武天皇は高倉下にこの「フシギ剣」について問いただします。高倉下は夢を見たといいます。天照大御神(あまてらすおおみかみ=アマテラス)と高木神(タカミムスヒノカミ)が、建御雷之男神(たけみかづち=タケミカヅチ)に相談している場面が出てきたと言います。

アマテラス「なんか、あたしの子孫が葦原の中つ国でピンチみたい。あの国、お前ひとりで平らげたようなもんだから、もう一度行って、子孫助けてやってくんない?」
タケミカヅチ「あっしがまた行かなくても、この刀剣さえ行かせれば大丈夫でしょう」

この刀剣の名前は、佐士布都神(さじふつのかみ)、甕布都神(みかふつのかみ)と呼ばれます。

建御雷之男神(たけみかづち=タケミカヅチ)縦480pxタカクラジ「そうしたら、今度はタケミカヅチ様が私に向ってこう言いますじゃ」

タケミカヅチ「お前の倉のてっぺんに穴を開けて、この刀剣落とし入れとくから、明日の朝に良いことあるよ。お前はその刀剣持って、天つ神の御子に献上しなっ」

タカクラジ「朝起きてみたら、その通りになっていましたのじゃ」

さすが神。

※画像は、「神武天皇 熊野 高倉下」Google画像検索結果のキャプチャー。

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【古事記の神・人辞典】
アマテラス
タカミムスヒノカミ
タケミカヅチ

神武天皇
タカクラジ
サジフツノカミ

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