5.葦原中国平定
5-4.オオクニヌシの国譲り
さて、事代主神(ことしろぬしのかみ=コトシロヌシ)から言質を取り、建御名方神(たけみなかたのかみ=タケミナカタ)を打ち破った建御雷之男神(たけみかづち=タケミカヅチ)が出雲に戻ってきて、大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)に対して曰く。
タケミカヅチ「あんたの息子二人とも、アマテラス様のお子様の命令には逆らわない、と言っているけど、どうする?」
オオクニヌシ「……(どうしようもないよね、いじめだね、こりゃ)……私も同じ気持ちっす。葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の間にある世界、すなわち日本)はすべて差し上げますです、はい」
しかし転んでもただでは起きないオオクニヌシ。条件を付けます。
オオクニヌシ「代わりと言っちゃなんですが、きっちり礎石を設けて、太い長い柱立てて、高天原まで届きそうな天高くそびえる宮殿作ってもらえないっすかね。あっしはそこの暗い部屋にこもっておりますです」
んんっ、この宮殿の描写。オオクニヌシが黄泉の国から帰ってくるときに先祖のスサノヲがオオクニヌシに送った言葉の通りではないか。スサノヲはオオクニヌシが自分で作れ、って言っている風だったけど、オオクニヌシはまだ作ってなかったのね。だから高天原に作らせよう、と?
オオクニヌシ「それと、今後も長男のコトシロヌシを筆頭に、あっしの子供180柱、アマテラス様のお子様にお仕えして、逆らうことはしませんので」
やはり子だくさんだったね、オオクニヌシ。っていうか多すぎ。。
ということで、さっそくタケミカヅチはオオクニヌシのために要望通りの宮殿を作ってあげました。つまりこれが出雲大社。
さらにさらに優しいことにタケミカヅチはオオクニヌシの宮殿に料理人を派遣しました。水戸神(みなとのかみ)の子の櫛八玉神(くしやたまのかみ=クシヤタマノカミ)です。
料理人・クシヤタマノカミはかいがいしく働きます。鵜に変身して海に潜り、海底の土を取ってきて、たくさんの土器を作り、料理を盛るお皿としました。また、わかめの茎で臼を作り、昆布の茎で杵を作って、その臼と杵で火を起こして、新築祝い。
クシヤタマノカミ「わちきが起こしたこの火で、地面の下の石の台を焼き固めるっす。そうすっと、土台が強くなりますです。それと縄を伸ばして釣糸にして、釣りをして、口も尾びれも大きなスズキを、チョーおいしい刺身料理にしてあげるね」
火を起こしたのにメインディッシュは刺身……なんでやねん。
水戸神はイザナギとイザナミが神産みの段で誕生した速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)の男女一対の神。港や水の神様なので、その血を引くのであれば、クシヤタマノカミは火よりも刺身の方が似合ってはいるのですが。
こうして、虐待されていた兄たちを地獄に落とし、出雲を平定し、美女をゲットしまくって現地妻を何人も囲み、子宝に恵まれ、ついでに領土も拡大して、国造りも(少し?)頑張ったオオクニヌシは、残念ながら敗北してしまいました。
その後、タケミカヅチは高天原に戻り、子細をアマテラスに報告して、ミッション・コンプリート! さすが高天原の最終兵器・改。
※画像は、「出雲大社の復元」Google画像検索結果のキャプチャー。
【関連記事】
・高円宮典子さまと千家国麿さんのご婚約は、古事記の時代までさかのぼれる慶事
・オオクニヌシ正妻スセリ終焉の地 - 鳥取大山の唐王神社 ~ 多羅尾氏コラム
【関連キャラ】
・オオクニヌシ - 国つ神のドンは破天荒な女好き
・タケミカヅチ - 高天原の最終兵器・改は国譲りの英雄
・コトシロヌシ - 言霊・知恵の神様も国譲りでは敗退
・コトシロヌシ
・クシヤタマノカミ
・ハヤアキツヒコノカミ | ハヤアキツヒメノカミ - 水戸神
5-4.オオクニヌシの国譲り
さて、事代主神(ことしろぬしのかみ=コトシロヌシ)から言質を取り、建御名方神(たけみなかたのかみ=タケミナカタ)を打ち破った建御雷之男神(たけみかづち=タケミカヅチ)が出雲に戻ってきて、大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)に対して曰く。
タケミカヅチ「あんたの息子二人とも、アマテラス様のお子様の命令には逆らわない、と言っているけど、どうする?」
オオクニヌシ「……(どうしようもないよね、いじめだね、こりゃ)……私も同じ気持ちっす。葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の間にある世界、すなわち日本)はすべて差し上げますです、はい」
しかし転んでもただでは起きないオオクニヌシ。条件を付けます。
オオクニヌシ「代わりと言っちゃなんですが、きっちり礎石を設けて、太い長い柱立てて、高天原まで届きそうな天高くそびえる宮殿作ってもらえないっすかね。あっしはそこの暗い部屋にこもっておりますです」
んんっ、この宮殿の描写。オオクニヌシが黄泉の国から帰ってくるときに先祖のスサノヲがオオクニヌシに送った言葉の通りではないか。スサノヲはオオクニヌシが自分で作れ、って言っている風だったけど、オオクニヌシはまだ作ってなかったのね。だから高天原に作らせよう、と?
オオクニヌシ「それと、今後も長男のコトシロヌシを筆頭に、あっしの子供180柱、アマテラス様のお子様にお仕えして、逆らうことはしませんので」
やはり子だくさんだったね、オオクニヌシ。っていうか多すぎ。。
ということで、さっそくタケミカヅチはオオクニヌシのために要望通りの宮殿を作ってあげました。つまりこれが出雲大社。
さらにさらに優しいことにタケミカヅチはオオクニヌシの宮殿に料理人を派遣しました。水戸神(みなとのかみ)の子の櫛八玉神(くしやたまのかみ=クシヤタマノカミ)です。
料理人・クシヤタマノカミはかいがいしく働きます。鵜に変身して海に潜り、海底の土を取ってきて、たくさんの土器を作り、料理を盛るお皿としました。また、わかめの茎で臼を作り、昆布の茎で杵を作って、その臼と杵で火を起こして、新築祝い。
クシヤタマノカミ「わちきが起こしたこの火で、地面の下の石の台を焼き固めるっす。そうすっと、土台が強くなりますです。それと縄を伸ばして釣糸にして、釣りをして、口も尾びれも大きなスズキを、チョーおいしい刺身料理にしてあげるね」
火を起こしたのにメインディッシュは刺身……なんでやねん。
水戸神はイザナギとイザナミが神産みの段で誕生した速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)の男女一対の神。港や水の神様なので、その血を引くのであれば、クシヤタマノカミは火よりも刺身の方が似合ってはいるのですが。
こうして、虐待されていた兄たちを地獄に落とし、出雲を平定し、美女をゲットしまくって現地妻を何人も囲み、子宝に恵まれ、ついでに領土も拡大して、国造りも(少し?)頑張ったオオクニヌシは、残念ながら敗北してしまいました。
その後、タケミカヅチは高天原に戻り、子細をアマテラスに報告して、ミッション・コンプリート! さすが高天原の最終兵器・改。
※画像は、「出雲大社の復元」Google画像検索結果のキャプチャー。
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・タケミカヅチ - 高天原の最終兵器・改は国譲りの英雄
・コトシロヌシ - 言霊・知恵の神様も国譲りでは敗退
【古事記の神・人辞典】
・オオクニヌシ
・タケミカヅチ ・オオクニヌシ
・コトシロヌシ
・クシヤタマノカミ
・ハヤアキツヒコノカミ | ハヤアキツヒメノカミ - 水戸神
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