4.オオクニヌシ
4-8.オオクニヌシの国造り
恋多き人生の大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)。さすがに女の尻追いかけてばかりではなく、国造りもしましょう、というお話。
オオクニヌシが、出雲(いずも)の美保(みほ=島根県八束群美保関町)の岬に行った時に、海上の波の上にガガイモの形をした船に乗って、絹の着物を着た神様が近よってきました。
名前を聞いてみましたが、その神様は答えません。お供の神様たちもみな知りません。すると、ヒキガエルの多邇具久(たにぐく=タニグク)が(突然)言いました。
タニグク「きっと、この神様の名前は、久延毘古(くえびこ=クエビコ)が知っていますよ」
誰、それ? となりましたが、「この世界のことなら何でも知っている」と言われるクエビコは、どうやら歩けないらしいので、オオクニヌシが自らクエビコのもとに訪れたところ、正体は案山子(かかし)でした。そりゃ、歩けんわ。
さて、質問したところ、
クエビコ「ああ~、それは神皇産霊神(かみむすびのかみ)の子である少名毘古那神(すくなびこなのかみ=スクナビコナ)じゃな」
と答えました。オオクニヌシ、今度は父親とされた神皇産霊神に聞いたところ、
神皇産霊神「そうそう、うちの息子。よろしくね。わしの指から零れ落ちた子供でな、これからはお前と兄弟になって、葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の間にある世界、すなわち日本)を作って固めるとよいがな」
とのこと。誰もツッコみ入れずにその後、オオクニヌシとスクナビコナは協力して国造りを進めます。
えっとー、突然出てきた神様が、なんで突然オオクニヌシの兄弟になってるの? よくわからんのだが、「兄弟になりんさい」といった神皇産霊神は、「かみむすび」と言えば、神産巣日神(かみむすひのかみ=カミムスヒノカミ)と同一とされます。つまり、またキタコレ! 神世七代に先行する「造化の三神」の一人、ゴッズ オブ ゴッズ。
カミムスヒノカミという神、時々出てきますな~、特にオオクニヌシ編で。しっかし、「造化の三神」、確か独神で性別を超越していたはずなのに、子供がいるとは、、まあ、ツッコむのはやめておきましょう。
それはともかく、ゴッズ オブ ゴッズの命令だったわけですね。説明がなくても、神話当時、誰でもわかったことのようです。
さてさて、オオクニヌシとスクナビコナ、この二柱、名コンビだったらしく、ものすごく仕事がはかどったようです。しかし、その後、スクナビコナはまたいずこか、海の彼方に消えていきます。一説には常世の国に去って行ったと言います。オオクニヌシ、これにものすごく悲嘆して曰く。
オオクニヌシ「スクナビコナがいなくなって、これからどうやって国造りしていけばいいんだよ~」
そんな時、海のかなたから声がします。曰く。
謎の神「じゃあ、わしを祀ればよいよ。一緒にこの国造っていこうよ。多分、祀らなければ祟るよ」
オオクニヌシ「どうやって祀ればよいですか?」
えっとー、そこは祀り方じゃなくて、恐れ多いかもしれないが、名前を尋ねるところでは? オオクニヌシだって神なんだから、同じ神に名前聞くのはおK?
謎の神「大和の国の青々とした山々の中の東の山の上に祀ればよいよ」
……普通に会話が進行中。
ここで但書で、この神様は御諸の山においでになる神樣、つまり大物主大神(おおものぬしのかみ=オオモノヌシ)っていうんだよ、と、ありますが、じゃあ、やっぱり、このタイミングで登場したオオモノヌシって誰? ってことにならね?
このやり取りを経て、オオクニヌシ=オオモノヌシということになっていくようではあるのですが。
このエピソードはこんな感じで終わるんですが、謎ばかりで消化不良なのは私だけ? 大和の国の青々とした山々の中の東の山、というがの、三輪山ですね。
※画像は、「少名毘古那神」Google画像検索結果のキャプチャー。
【関連記事】
・富田八幡宮 - 少彦名命が去った後に大国主命が神と対面した地、式内・勝日神社
・勝日高守神社 - 神話の里、富田月山の山頂に鎮座する富田城の鎮守、尼子氏の崇敬
【関連キャラ】
・オオクニヌシ - 国つ神のドンは破天荒な女好き
・スクナビコナ - 国造り、オオクニヌシの相方は謎な神?
【古事記の神・人辞典】
・オオクニヌシ
・カミムスヒノカミ - 造化の三神、別天津神の一柱。
・スクナビコナ
・クエビコ
・タニグク
・オオモノヌシ
4-8.オオクニヌシの国造り
恋多き人生の大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)。さすがに女の尻追いかけてばかりではなく、国造りもしましょう、というお話。
オオクニヌシが、出雲(いずも)の美保(みほ=島根県八束群美保関町)の岬に行った時に、海上の波の上にガガイモの形をした船に乗って、絹の着物を着た神様が近よってきました。
名前を聞いてみましたが、その神様は答えません。お供の神様たちもみな知りません。すると、ヒキガエルの多邇具久(たにぐく=タニグク)が(突然)言いました。
タニグク「きっと、この神様の名前は、久延毘古(くえびこ=クエビコ)が知っていますよ」
誰、それ? となりましたが、「この世界のことなら何でも知っている」と言われるクエビコは、どうやら歩けないらしいので、オオクニヌシが自らクエビコのもとに訪れたところ、正体は案山子(かかし)でした。そりゃ、歩けんわ。
さて、質問したところ、
クエビコ「ああ~、それは神皇産霊神(かみむすびのかみ)の子である少名毘古那神(すくなびこなのかみ=スクナビコナ)じゃな」
と答えました。オオクニヌシ、今度は父親とされた神皇産霊神に聞いたところ、
神皇産霊神「そうそう、うちの息子。よろしくね。わしの指から零れ落ちた子供でな、これからはお前と兄弟になって、葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の間にある世界、すなわち日本)を作って固めるとよいがな」
とのこと。誰もツッコみ入れずにその後、オオクニヌシとスクナビコナは協力して国造りを進めます。
えっとー、突然出てきた神様が、なんで突然オオクニヌシの兄弟になってるの? よくわからんのだが、「兄弟になりんさい」といった神皇産霊神は、「かみむすび」と言えば、神産巣日神(かみむすひのかみ=カミムスヒノカミ)と同一とされます。つまり、またキタコレ! 神世七代に先行する「造化の三神」の一人、ゴッズ オブ ゴッズ。
カミムスヒノカミという神、時々出てきますな~、特にオオクニヌシ編で。しっかし、「造化の三神」、確か独神で性別を超越していたはずなのに、子供がいるとは、、まあ、ツッコむのはやめておきましょう。
それはともかく、ゴッズ オブ ゴッズの命令だったわけですね。説明がなくても、神話当時、誰でもわかったことのようです。
さてさて、オオクニヌシとスクナビコナ、この二柱、名コンビだったらしく、ものすごく仕事がはかどったようです。しかし、その後、スクナビコナはまたいずこか、海の彼方に消えていきます。一説には常世の国に去って行ったと言います。オオクニヌシ、これにものすごく悲嘆して曰く。
オオクニヌシ「スクナビコナがいなくなって、これからどうやって国造りしていけばいいんだよ~」
そんな時、海のかなたから声がします。曰く。
謎の神「じゃあ、わしを祀ればよいよ。一緒にこの国造っていこうよ。多分、祀らなければ祟るよ」
オオクニヌシ「どうやって祀ればよいですか?」
えっとー、そこは祀り方じゃなくて、恐れ多いかもしれないが、名前を尋ねるところでは? オオクニヌシだって神なんだから、同じ神に名前聞くのはおK?
謎の神「大和の国の青々とした山々の中の東の山の上に祀ればよいよ」
……普通に会話が進行中。
ここで但書で、この神様は御諸の山においでになる神樣、つまり大物主大神(おおものぬしのかみ=オオモノヌシ)っていうんだよ、と、ありますが、じゃあ、やっぱり、このタイミングで登場したオオモノヌシって誰? ってことにならね?
このやり取りを経て、オオクニヌシ=オオモノヌシということになっていくようではあるのですが。
このエピソードはこんな感じで終わるんですが、謎ばかりで消化不良なのは私だけ? 大和の国の青々とした山々の中の東の山、というがの、三輪山ですね。
※画像は、「少名毘古那神」Google画像検索結果のキャプチャー。
【関連記事】
・富田八幡宮 - 少彦名命が去った後に大国主命が神と対面した地、式内・勝日神社
・勝日高守神社 - 神話の里、富田月山の山頂に鎮座する富田城の鎮守、尼子氏の崇敬
【関連キャラ】
・オオクニヌシ - 国つ神のドンは破天荒な女好き
・スクナビコナ - 国造り、オオクニヌシの相方は謎な神?
【古事記の神・人辞典】
・オオクニヌシ
・カミムスヒノカミ - 造化の三神、別天津神の一柱。
・スクナビコナ
・クエビコ
・タニグク
・オオモノヌシ
コメント