八上比売4.オオクニヌシ
4-4.出雲の王へ


建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと=スサノヲ)の嫌がらせを振り切り、何とか黄泉の国から現世に戻って来た大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)と、オオクニヌシの愛妻だが恐怖のスサノヲを親父として持つ須勢理毘売命(すせりびめ=スセリ)。

まあ、ちょっとここで確認しておきたいんだが。オオクニヌシはスサノヲの六代後の子孫で、その嫁さんはスサノヲの娘? まあ、そこは神話だし、いいか。それぞれが部族やそれらの系統を示していて、複雑な政略結婚でまとまっていたのだが、改めて二つの部族が連合した、なんて史実を反映しているのかな。

それよりも、もともとオオクニヌシが黄泉の国行ったのは、兄弟連中に殺されかけてにっちもさっちもいかなかったから、ご先祖のスサノヲと会って相談したかったからじゃなかったけ?

まあ、そこも良いか。運命の出会いがあって、恋のハリケーン劇場、ということで。

八上比売(やがみひめ=ヤガミ)縦480pxしっかし、兄弟連中に殺されかけていた理由って、確か、、、女じゃなかった?

そう、もうだいぶ登場していないが、因幡の絶世の美女神・八上比売(やがみひめ=ヤガミ)が、結婚したがっていた兄貴たちに向かって、「え~、お前たちじゃ無理。結婚はオオクニヌシとする」ってKY的に言ったことが発端だったような。。

でも、今までの流れでも、オオクニヌシはヤガミと結婚した~い、とは言っていないんだよね。。兄貴たちの死の追撃が厳しすぎてそんな余裕がなかったのか、オオクニヌシがもしかしてそもそも実はヤガミにそこまでの興味なかった、とか。。

後者の可能性も高いんじゃね、というのが、スセリとの瞬殺ホーリンラブ。

でも、オオクニヌシはこれから日本中に現地妻を作るほどの女好きだから、当然、美女神であるヤガミにも興味持っていたと思うけど。

それはともかく、とにもかくにも兄貴たち(八十神)血祭りに上げないと、オオクニヌシも生きた心地がしなかっただろう。現世に帰るとすぐに、スサノヲから盗み、いやもとい、スサノヲから授かった剣と弓矢で兄弟連中を撃破。全員をきっちり地獄に送ってやったとさ。

そうして、オオクニヌシは見事に出雲の王になりました。

須勢理毘売命(すせりびめ=スセリ)縦480pxそしてそして、ヤガミがここで登場。一応側室として、オオクニヌシと結婚できたみたい。でも正妻にはスセリ(バックに恐怖のスサノヲ)がいるんだけどね。

だからヤガミの方がスセリに遠慮しまくったらしく。スセリは後に出てくるけど、嫉妬の神様でもあったりして。

ヤガミはオオクニヌシとの子供を産むとすぐに子供は置いて(正確には、木の又に差し込んで。。。えっーと、どんなシチュエーション?)、因幡のお国にお帰りになりましたとさ。

子供に対する仕打ちは微妙ですが、引き際は見事! オオクニヌシの兄貴たちを振った感じに引きずられましたが、本文中のヤガミのセリフ表現手法に悪意はございません。

※画像は、「八上比売」Google画像検索結果のキャプチャー。

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オオクニヌシ -  国つ神のドンは破天荒な女好き
スセリ - オオクニヌシ大好きすぎて拗ねる女神
ヤガミ - 日本初? 結婚後に「実家に帰ります」
ヤソガミ - 意地悪く凶暴、容赦ねえオオクニヌシ兄

【古事記の神・人辞典】
オオクニヌシ
ヤガミ
スセリ
コノマタノカ

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