大国主命4.オオクニヌシ
4-2.兄たちからの迫害


因幡の八上比売(やがみひめ=ヤガミ)との結婚レース、勝者は誰に。

大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)の兄弟連中(八十神)は、オオクニヌシに荷物を持たせて求婚しにヤガミのところまで来ると、ヤガミはKY的にきっぱり、

ヤガミ「え~、あんたたちと結婚したくないんですけど~。私、オオクニヌシ様と結婚するわん キリッ」

仰天したのは兄弟連中。なぜオオクニヌシ? そこで兄弟連中は短絡的にオオクニヌシ暗殺計画を立案、ソッコーで事を進めます。判断と行動、速すぎ兄ちゃん達。。

兄弟連中は、オオクニヌシとともに伯耆の国(ほうき=鳥取県西部)の手間の山の麓へやってきて、オオクニヌシに曰く「この山にさ、赤いイノシシがいるんよ。わしらが追い立てるからさ、お前、ここで待って、捕まえろや。もし失敗したら、コ・ロ・ス」という無茶振り。

大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)縦480px兄弟連中は山に登り、イノシシに似た大きな石を見つけ、これを火で真っ赤に焼いて、山の上からオオクニヌシ目がけて転がして落としました。極悪非道。。

愚直なオオクニヌシ、言いつけ通り、落ちてきた焼石をつかもうとしましたが、無残にもその熱に焼かれて死んでしまいましたとさ。おしまい。……ではっ、な~い。

まあ、死んでしまったのは確かなオオクニヌシ。嘆き悲しんだオオクニヌシ母は高天原に行って、神産巣日神(かみむすひのかみ=カミムスヒノカミ)に相談します。神産巣日神を覚えていたらすごい、神世七代に先立つ、造化の三神の一人です。

カミムスヒノカミ「赤貝とハマグリ(キサガヒヒメ・ウムギヒメ)で生き返るかも。赤貝が自分の身を削り、ハマグリがそれを受け止めたものを母の母乳のように、オオクニヌシの体に優しく塗ってみて」

んんっ? 治療行為? 死んでなかった、というオチ? まあ、ここはツッコまずに。母はその通りにすると、オオクニヌシ見事復っ活ー!

しかし、兄弟連中もしつこい。またまたオオクニヌシをだまして山に連れて行き、大きな木を切り倒してその間に楔の矢を打っておいて、その中にオオクニヌシに入らせ、楔の矢をいきなり抜くと、、、オオクニヌシ、木に挟まれまたもや死亡。。どんだけ愚直で純情? どんだけだまされれば気がすむのか。。

母、また奔走。遺体を探し出して、またまた蘇生させる。そしてさすがに母が助言。

オオクニヌシ母「お前、ここにいればまた殺されるよ。わかってないの?(バカなの?) 紀伊の国に頼れる神がいるからそこへお逃げ!」

と言って、大屋毘古神(おおやびこ=オオヤビコ)を紹介され、紀伊に逃げます。しかし兄弟連中、紀伊までまたオオクニヌシを殺しに来る始末。その執念、どんだけよ。

何とか兄弟連中の追手を振り切ったオオヤビコはオオクニヌシに助言して曰く

オオヤビコ「お前、スサノヲ様の子孫だろ? あのコエー神、今、根の堅州国(ねのかたすくに=つまり根の国、黄泉の国ですね)にいるからさ、行って相談してみな」。

こうしてオオクニヌシは、祖先のスサノヲに会いに行く旅に出かけました。

スサノヲ、黄泉の国にいたんだ。。。オヤジに放逐された原因でもある、黄泉の国行ってか~ちゃん(イザナミ)に会いたいという願いは果たせたのだろうか。。

※画像は、「大国主命」Google画像検索結果のキャプチャー。

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【古事記・四コマ劇場】
オオクニヌシの遍歴:3.初婚編
オオクニヌシの遍歴:4.死亡編
オオクニヌシの遍歴:5.蘇生編
オオクニヌシの遍歴:6.逃走編

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ヤソガミ - 意地悪く凶暴、容赦ねえオオクニヌシ兄
サシクニワカヒメ - 死亡する息子の蘇生に奔走する母
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【古事記の神・人辞典】
オオクニヌシ
サシクニワカヒメ
カミムスヒノカミ
ヤソガミ
ヤガミ
オオヤビコ

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