櫛名田比売3.アマテラスとスサノヲ
3-5.スサノヲの神裔


さてさて、見事ヤマタノオロチを討伐したスサノヲ君。このお話、まだ続きがあります。まずは、嫁にもらってすぐに櫛にしてしまった櫛名田比売(くしなだひめ=クシナダ)をもとにもどしてっと。

自分の魔法で櫛にしただけだから、解除ももちろん問題なし。

次に、まず新妻と住むところを探さないとね。いろいろ探し回って、「う~ん、気分が“すがすがしい”」という場所を発見。ここに新居を建てようと決めました。

それが現在の島根県雲南市大東町須賀、というところ。なぜ分かるかっていうと、スサノヲ君が「すがすがしい」と言った、そのまんまが土地の名前になり、それが「須賀(すが)」。ダジャレかっ!

このスサノヲ君の新居、今でも須賀神社が立っており、須賀神社は「日本初之宮(にほんはつのみや)」と呼ばれ、日本で一番古い神社、ということです。

スサノヲ「新居建ててみたら~、その時~、宮殿から雲が黙々と立ち上っていたんだよね~」

ということで、

八雲立つ  出雲八重垣  妻籠に  八重垣作る  その八重垣を

っとスサノヲが一句詠んだとか。これが日本で初めての歌(和歌の始まり)だそうで。意味としては、下記で伝わるでしょうか(超訳)。うーん、かなりオレ様的。

もくもく雲が立ってるな~
ここは出雲のオレんち。
妻と一緒に暮らすオレんち作る。
立派な家だぜ~

07クシナダ480nameまた、クシナダちゃんの両親である老夫婦(実は神)、足名椎命・手名椎命(アシナヅチ・テナヅチ)のうち、アシナヅチには新居管理の長官に任命、稲田宮主須賀之八耳神(いなだのみやぬしすがのやつみみのかみ)という立派な名前も与えました。

もう一つスサノヲの住居跡ともされている須佐神社(島根県出雲市佐田町須佐)の代々の神主であるのが稲田氏(後に須佐氏)。アシナヅチ・テナヅチから今でも70代以上血脈が続いていらっしゃるとか。長さでは、天皇家以上?

何はともあれ、スサノヲと櫛名田比売は子宝にも恵まれつつ、幸せに暮らしたとさ。

そして、スサノヲ―クシナダの子孫、二人から数えて六代目として誕生するのが、古事記最大の英雄の一人、大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)です。

ちなみに、スサノヲはクシナダ以外にも、大山津見神(おおやまつみのかみ=オオヤマツミ)の娘である神大市比売(かむおおいちひめ=カムオオイチヒメ)という女神も娶り、その間に大年神(おおとしのかみ)などが生まれています。

※画像は、「櫛名田比売」Google画像検索結果のキャプチャー。

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清神社(吉田町吉田) - スサノヲがヤマタノオロチを退治した地、安芸毛利氏の崇敬社
鎮守氷川神社 - 室町期創建、2本の御神木、季節ごとカラー御朱印、特製の御朱印帳

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スサノヲ君の冒険:8.幸福編

【関連キャラ】
スサノヲ - 荒ぶる神からちょいワル親父への転身
クシナダ - 元祖やまとなでしこのほっこり娘
アシナヅチ・テナヅチ - ヤマタノオロチの脅威におびえて
オオヤマツミ - 天皇家を呪詛って寿命を与えた怒ると恐い神
ヤマタノオロチ - 思わず泥酔して不覚を取った神

【古事記の神・人辞典】
ヤマタノオロチ
スサノヲ
クシナダ
アシナヅチ・テナヅチ
オオヤマツミ
カムオオイチヒメ
オオトシノカミ
ウカノミタマノカミ
ヤシマジヌミノカミ - 十七世神
コノハナチルヒメ
フハノモヂクヌスヌ - 十七世神
オカミノカミ
ヒカハヒメ
フカフチノミヅヤレハナノカミ - 十七世神
アメノツドヘチネノカミ
オミヅヌノカミ - 十七世神
フノヅノノカミ
ホテミミノカミ
アメノフユギヌノカミ - 十七世神
サシクニオオカミ
サシクニワカヒメ - オオクニヌシの母
オオクニヌシ - 十七世神

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