
3-4.ヤマタノオロチ
オヤジに追放され、ねーちゃんに追放されたスサノヲ君。たどり着いたのは出雲の国でした。今の島根県ですね。さすがに改心したのか、はたまた成長したのか、ここからのスサノヲ君は良い人になっていきます。
ヤマタノオロチ キター!

老人答えて曰く「毎年、ヤマタノオロチに娘喰われているだ~。もう7人。今年、この子で8人目だわさ。わてらも神なんじゃが、どうにもならん。何とかしてくれろ~」
スサノヲ「ヤマタノオロチ? どんなの?」
老人「ひとつのからだに頭と尾が八つづつある大蛇。長さは八つの谷と八つの山もあるんじゃ」
スサノヲ「バケモノね…(こわっ くわばらくわばら)」
とここで、今年喰われる予定の娘・櫛名田比売(くしなだひめ=クシナダ)をチラ見。

スサノヲ「その娘、嫁にくれる?」
老人「はあっ~? どこの馬の骨かわからん人間にやれるか! 名を名乗れ!」
スサノヲ「オレ、スサノヲ。ねーちゃんがアマテラスやってる。今、高天原から来たとこ」
老人「へっへー。ご高名な神様でございましたか。恐れ多い。喜んで娘を差し上げます」
追放されたばかりなのに、姉の威光を笠に着ることに罪悪感ナッシングなところがスサノヲ君。
とりあえず交渉成立。クシナダちゃん、ゲット! 早速、肌身離さずとはこのこと、クシナダちゃんを魔法で櫛にして、自分の髪に差しました。まあ、ヤマタノオロチに見つからないように、という配慮でしょうが。というか、そんな魔法使えたの? まあ神様ですから、ネ。
しかし、問題はヤマタノオロチ。ここでスサノヲ君、策を練ります。

老夫婦がその準備を終えたところで、ヤマタノオロチ登場。
八つの頭を持つオロチは、スサノヲ君の狙い通り、八つの入口から首突っ込んで、置いてあった酒を飲み始めます。バケモノとは言え、やっぱりアホ?
ヤマタノオロチが酔っぱらったところを、スサノヲ君、剣で滅多切り。ズタズタに切り刻んだから、ヤマタノオロチから大量の血が流れて、川ができちゃうぐらい。切り刻んでいると剣が少し欠けたので、おっかしいなと思ってよく見てみると、ヤマタノオロチの尾のところから立派な剣が出て、スサノヲ君ラッキー。立派な剣もゲット。
早速この剣をアマテラスに献上して、ごますりごますり。「この間は暴れてごめんよ、これで許してね」。詫びを入れるところなんか、だいぶ変わったね、スサノヲ君。
この剣が草薙の剣、今に伝わる天皇家の神器の一つであり、この後出てくるであろう、ヤマトタケルが使用したことでも有名になった代物です。
※画像は、「ヤマタノオロチ」Google画像検索結果のキャプチャー。
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・アシナヅチ・テナヅチ - ヤマタノオロチの脅威におびえて
・ヤマタノオロチ - 思わず泥酔して不覚を取った神
【古事記の神・人辞典】
・スサノヲ
・アシナヅチ・テナヅチ
・クシナダ
・オオヤマツミ
・ヤマタノオロチ
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