
3-2.天岩戸
さて、「アマテラスとスサノオの誓約」の結果、なぜか「オレの勝ち!」(占いなのに勝ち負け?、という意味で)と一方的に宣言して調子こいたスサノヲ。
ねーちゃんの縄張りである高天原でやりたい放題の狼藉を始めます。田の畔は壊すわ、溝を埋めるは、御殿に糞をまき散らすは、「やっぱりこども?」というレベル。

しかし、KYスサノヲ、やらかします。アマテラスが機屋で神に奉げる衣を織っていた時、スサノヲが機屋の屋根に穴を開けて、皮を剥いだ馬を落とし入れるという暴挙。もう、イミフ。
具合の悪いことに、機織りしていた女の子が一人、驚いた拍子に機織り機の切っ先が陰部に刺さって死んでしまうという事故に発展してしまいました。痛ましい事故ですが、まずツッコみたいところは、、、また陰部? いやいや、こここそ、そこ出さなくても筋変わんなくない? 普通の事故死だと具合悪い? 日本の神話、どこまで女陰推し?

怒ったアマテラスは天岩戸に身を隠してしまいます。高天原も葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の間にある世界、すなわち日本)も闇に閉ざされます。暗闇も手伝って、さまざまな災いが高天原にも葦原の中つ国にも襲う事態になりました。
さて、困った八百万の神々。高天原の知恵袋・思金神(おもいかね=オモイカネ)らが相談して、何とかアマテラスを外に出そうということにしました。取った方法はなんとストリップ。天宇受賣命(あめのうずめのみこと=アメノウズメ)という神様の踊りです。日本史上初の踊り子。

アメノウズメがうつぶせにした特殊な桶の上に乗り、背をそり胸乳をあらわにし、裳の紐を股に押したれて、女陰をあらわにして、低く腰を落して足を踏みとどろかし、力強くエロティックに踊った。
というもの。いや、本当にコレ神話の現代訳。また女陰って。ここまで推してくると、やはり何か別の意味があるんでしょうか?
それはともかく、このストリップ、天岩戸の前の広場に集まった八百万の神々の大爆笑を誘います。さすが神様たち、生唾ごっくんではなかった。
しかし、ここは笑わないと話が進みません。なぜか。この神々による地を震わす大爆笑こそが、アマテラスをして、天岩戸を少し開かせます。「なにごとっ?」と。「私隠れて困っているはずなのに、何の大騒ぎ」とのたまっていますが、分かっているのなら、早く出てあげればいいのに。
ストリップが気になって天岩戸を少し開けた、だからアマテラスは男神ではないかという仮説もあるようですが、状況を見てみると、外でストリップしているかどうかではなく、外が騒がしくて気になって、ちょっと確かめよう、と思っただけですので、女神を覆すほどのことはないですね。
少し開かせればこちらのもの。八百万の神々はあの手この手を使って、アマテラスを外に出そうとし、最後には横に隠れていた力持ちの神様・天手力雄神(アメノタヂカラオ)がアマテラスの手を取って引きずり出して、天岩戸を閉めてしまいました。
そうして、高天原も葦原の中つ国も光を取り戻したとさ。めでたしめでたし。
※画像は、「天岩戸」Google画像検索結果のキャプチャー。
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【関連キャラ】
・アマテラス - 「譲って、ください…」ですべて始まる
・スサノヲ - 荒ぶる神からちょいワル親父への転身
・オモイカネ - 高天原の知恵袋は天然おじいちゃん?
・アメノウズメ - 炎のストリッパーはアマテラスの腹心
【古事記・四コマ劇場】
・スサノヲ君の冒険:3.狼藉編
・スサノヲ君の冒険:4.解決編
【古事記の神・人辞典】
・アマテラス
・スサノヲ
・フトダマ
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