三貴神の誕生2.イザナギとイザナミ
2-5.禊祓と三貴子


さて、晴れてバツイチとなったイザナギ。黄泉から帰ったということで、今の宮崎県に禊に行きます。穢れを洗い流さなくては、ですね。日本初の禊、こんな昔からあるんですね、日本の禊文化。

イザナギ、独身になっても神産みは終わりません。ここからがむしろクライマックス。

まず、禊のために服を脱ぎます。それだけでいきなり十二柱の神様が生まれます。

最初に川に入って身を清めたら、また二柱の神様が生まれます。

次に邪気を払おうとして三柱の神様が生まれます。

さらに水の底で身を清めると、二柱の神様が生まれます。

水の中ほどで身を清めると、さらに二柱の神様が生まれます。

今度は水の表面で身を清めると、二柱の神様が生まれます。

伊邪那岐神(いざなぎのかみ=イザナギ)縦480pxここまでで計二十三柱。イザナミとともに励んで生んだ神様は、イザナミの女陰を焼き死なせてしまった火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)含め十七柱。イザナギ、別れてからの方がお盛んです。

それはともかく、ここからが万華鏡写輪眼の開眼、ではなく、三貴神の誕生です。

左の目を洗うと天照大御神(あまてらすおほみかみ=アマテラス)が生まれます。

右の目を洗うと月読命(つくよみのみこと=ツクヨミ)が生まれます。

鼻を洗うと建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと=スサノヲ)が生まれます。

イザナギは最後に三柱の貴い子(三貴神は三貴子とも言いますし、こちらの方が主流でしょうか)を得たと喜び、アマテラスには高天原を委任し、ツクヨミには夜の食国(をすくに)を、スサノヲには海原を委任しました。

アマテラスやスサノヲはこれからもいやってほど登場してきますが、唯一肌合いが違うのがツクヨミ。今後ほとんど姿を現しません。だから、サスケは使えず、イタチだけの技なのか! って、もういいや。

何はともあれ、これで、高天原、さらにその支配下ともいうべき葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の間にある世界、すなわち日本)は女神が統べる国になることが決定しました。さらっと流されがちですが、イザナギのこの委任(特にアマテラスへの)こそが「日本の形」を最初に決定づけたものと言えるでしょう。

神世七代の終焉となります。

※画像は、「三貴神の誕生」Google画像検索結果のキャプチャー。

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【関連キャラ】
イザナギ - 日本のとーちゃんはオクテだった?
アマテラス - 「譲って、ください…」ですべて始まる
スサノヲ - 荒ぶる神からちょいワル親父への転身

【古事記の神・人辞典】
イザナギ

禊で衣を脱いだ時に生まれた神
ツキタツフナトノカミ - 杖から
ミチノナガチハノカミ - 帯から
トキハカシノカミ - 袋から
ワヅラヒノウシノカミ - 衣から
ミチマタノカミ - 袴から
アキグヒノウシノカミ - 冠から
オキザカルノカミ | オクツナギサビコノカミ | オキツカヒベラノカミ - 左手の腕輪から
ヘザカルノカミ | ヘツナギサビコノカミ | ヘツカヒベラノカミ - 右手の腕輪から

禊で生まれた神々
ヤソマガツヒノカミ | オオマガツヒノカミ - 黄泉の穢れから
カムナオビノカミ | オオナオビノカミ | イヅノメ - その穢れ、その禍(まが)を直そうとして
ソコツワタツミノカミ | ソコツツノヲノカミ - 水の底で身を清めると
ナカツワタツミノカミ | ナカツツノヲノカミ - 水の中ほどで身を清めると
ウハツワタツミノカミ | ウハツツノヲノカミ - 水の表面で身を清めると

三貴子
アマテラス - 左目
ツクヨミ - 右目
スサノヲ - 鼻

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