板列の地で式内・板列神社の説、社殿彫刻は中井権次正胤の傑作
稲崎神社 京都府与謝郡与謝野町石川6241
[住所]京都府与謝郡与謝野町石川6241
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稲崎神社(いなさきじんじゃ)は、京都府与謝郡与謝野町石川にある神社。京都丹後鉄道宮豊線の与謝野駅の南西約2.8キロ。国道176号線近く。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「板列神社(丹後国・与謝郡)」に比定される式内社(小社)の参考社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。鎮座地は亀山部落の字長尾の地とも、旧石川村字亀山の板列という地ともされることから、式内社に比定する説がある。

ただし、式内社「板列神社」は男山の板列八幡神社、岩滝の板列稲荷神社が論社とされることが多い。

また、『室尾山観音寺神名帳』与謝郡六十八前に、「従二位 伊奈佐岐(サキ)明神」があり、これに比定される場合がある。

由緒も不詳であるが、石川村の稲荷大明神、稲荷社とも呼ばれ、御祭神は若宇賀能売命(宇迦之御魂神・倉稲魂神)。明治6年(1873年)、村社に列した。

大祭は、もとは旧暦9月9日で秋祭だったが、現在は4月25日に行なわれる。物部神社大命神社大宮神社とともに、旧来の石川四社のうちの一つ。

合同祭礼が行われ、当社の御神体は白狐に乗れる方、とされ、当社の奉納芸能として、亀山地域の氏子若衆による獅子舞、神楽が大宮神社の前で奉納される。

棟札に、明治31年(1898年)8月13日のものがある。本殿は入母屋造の欅材、亜鉛板葺、千本鰹木付。拝殿は切棟造の松檜材、瓦ぶき。

拝殿向拝に龍の彫刻がある。口を大きく開け、左上空を見上げている。ピンと立った舌先、黒色の銅線の髭、なめらかで力強い。

木鼻の定番の唐獅子と獏も迫力があり、これらの目も赤色。社殿の上部の隅には、獏に酷似した象の聖獣が見える。

本殿の扉にも多彩な彫り物が施されている。頂点には、力士が梁を支えている。第15代応神天皇の土蜘蛛退治と鷹を打ち据えている2面が見える。

これらの彫刻は中井権次正胤の明治31年、44歳の力溢れ、垢抜けした傑作として評価が高い。

【ご利益】
五穀豊穣、家内安全
稲崎神社 京都府与謝郡与謝野町石川
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