風土記記載、大己貴命の火傷を治療した女神、式内・御井神社を合祀
[住所]島根県松江市秋鹿2853
[電話]090-5260-2518

秋鹿神社(あいかじんじゃ)は、島根県松江市秋鹿にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

宍道湖の北。畑電車北松江線の秋鹿町駅の北。国道431号線を秋鹿町駅のすぐ東の所で北上して進む。秋葉山麓、秋鹿川沿いに坐す。

創祀年代は不詳。『出雲国風土記』秋鹿郡条に、「秋鹿と號く所以は、郡家の正北に秋鹿日女命の坐す。故、秋鹿と云ふ」とある。

社伝によれば、「秋鹿日女命は、天勅を蒙り、大己貴命の火傷を治療給はん為に此國に降り給ひ」たという。

また、「其任を果し給ひ、御功績甚だ顕著であり、此の御功績ぞ即ち、大己貴命の遂に天下蒼生の為、大に利養厚生の道を開き給へし一の原動力と成れり」という。

秋鹿日女命は『古事記』には記載はないが、大己貴命の火傷を治療した神として、『古事記』には蚶貝比売・蛤貝比売が出てくる。

秋鹿の名から類推すると、赤貝の女神である蚶貝比売か。そうであれば神魂命の娘で、佐太大神の母神ということになる。

中世になり、衰微していた御井神社(罔象女命)を合祀した。『延喜式神名帳』にある「御井神社(出雲国・秋鹿郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

当社地から南方90メートルに旧跡があるという。往時、その境内には神井が三つあったという。三の井は近年まで、近隣住民の飲料に供されていた。

この御井神社を合祀して以降、当社号を秋鹿姫二所大明神と称したという。2柱の女神を祀った大明神ということだろう。

なお、式内社「御井神社」の論社は他に、佐太神社の境内社がある。出雲国には出雲郡にも同名の式内社があり、出雲市斐川町直江に式内同名神社がある。

江戸時代前期の貞享3年(1686年)、八幡宮(誉田別命)を合祀した。もとは秋鹿川の河畔に鎮座したが、洪水により流失、当社に合祀されたもの。

明治5年(1872年)3月、村社に列した。例祭は10月14日。広めの境内左右には社務所と神楽殿らしい建物が建ち、数段上がった奥の境内正面に大きな拝殿、大社造りの本殿が建つ。

拝殿には「式内社 御井神社」「秋鹿神社」「姫二所大明神 八幡宮」の額が掲げられている。入母屋造りの拝殿前には、江戸時代後期の文政8年(1825年)建立の出雲狛犬一対が安置されている。

境内ではほかに、稲荷社をはじめとした境内社が数宇、また社日が祀られている。

【ご利益】
病気平癒、身体壮健、健康長寿、五穀豊穣
秋鹿神社 島根県松江市秋鹿
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