比遅井に奉斎された水田のための井戸の神、近世は天満宮
御井神社 兵庫県豊岡市日高町土居228
[住所]兵庫県豊岡市日高町土居228
[電話]0796-44-0292 - 神門神社

御井神社(みいじんじゃ)は、兵庫県豊岡市日高町土居にある神社。円山川西岸に鎮座する。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「御井神社(但馬国・気多郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

山陰本線の国府駅と江原駅の間、山陰本線の線路を国道312号線が横切るが、その東すぐ。円山川にほど近く。

創祀年代は不詳。一説に、初代神武天皇の御宇、比遅井の丘に鎮座したともいう。『国司文書 但馬故事記』第1巻「気多郡故事記」に記載がある。

気多郡佐々前村の開拓、佐久宮(佐田の佐久神社)、磐船宮(道場の磐舩神社)に次いで、気立神社(気多神社)、そして当社が創建された。

天照国照天火明命は、国作大己貴命の勅を奉じ、両槻天物部命の子である佐久津彦命に佐々原を開拓させたという。

佐久津彦命は篠生原に御津井を掘り、水を引き御田を作った。後世、佐田稲生原(稲飯原とも)と名付けられたという。

その後、佐田伊原となり、つまり気多郡佐々前邑となる。この御井の盛んに湧き続けることを祈願して奉祀されたのが御井比咩命であり、当社の起源。

御祭神は大己貴命と八上姫命の娘で、八上姫命は天珂森宮(もとは八上姫神社。現在は天珂森神社に坐しているという。

比遅井は霊異井の意だという。ただ、時代が下るにつれて、この由緒は忘れられ、江戸時代には天満宮と称したという。

今も当地は字天神。明治3年(1870年)、現社号に復し、明治6年(1873年)10月には村社に列した。

御祭神は、御井神。天満宮の頃は、菅原道真が主祭神だったと考えられる。少彦名命・天神大明神とする説もある。例祭は10月15日。

境内社に、秋葉神社・須賀神社・田中神社がある。『式内社調査報告』によれば、境内左手にあるのは天満宮の祠。

なお、但馬国には養父郡にも同名の式内社があり、養父市に当社と同名の神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、身体壮健
御井神社 兵庫県豊岡市日高町土居
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