式内・大朝神社と伊加麻志神社の可能性、奇祭「かわかんじょう」
[住所]静岡県伊豆の国市神島1307
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神益麻志神社(かんますましじんじゃ)は、静岡県伊豆の国市神島にある神社。狩野川西岸、伊豆箱根鉄道駿豆線の田京駅の南、大仁駅の北。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』伊豆国田方郡にある「大朝神社」「伊加麻志神社」に比定される式内社(小社)の参考社。創祀年代や由緒は不詳。御祭神は長白羽命(長白羽神)。

『静岡県神社誌』「式内社考証集覧」によれば、竹村茂正『豆州式社考案』に、式内社「大朝神社」に関して、「神益村駒形神社ナルベシ」とあるという。

現在の神益には、駒形神社は存在しない。神益の神社ということで、竹村茂正が指しているのは当社の可能性がある、ということ。

神益には駒形神社はないが、当社の北2キロ、葛城山の北東麓の小坂に駒形古墳があり、古墳を祀る駒形神社は存在する。

『式内社調査報告』によれば、伊豆国に大朝という地名も、大朝という氏族も存在せず、式内社「大朝神社」は、「大麻神社」のことだという。

当社号には「麻」も含まれ、御祭神は「麻」に関連して伊勢の麻続氏の祖神であることもあり、当社はもとは大麻神社だった、とも。

式内社「大朝神社」の論社は他に、伊豆市の大宮神社、沼津市の式内同名神社鷲頭神社、三島市大場の赤王神社がある。

さらに「式内社考証集覧」では、竹村茂雄『伊豆國式社考』に、式内社「伊加麻志神社」が「中島村神益村ト同村ナリ、コノ里ノ神社カ、又湯ケ島ノ神社カ、益山ノ神社カ」とある。

神益の里の神社、といえば、当社になるから式内社「伊加麻志神社」の論社。ただし、「益山ノ神社」、益山の頂上に式内同名神社があり、そちらが有力。

しかし、その式内同名神社も長らく三島神社と呼ばれており、さらに鎮座地の益山の東にあたる、当地の神益に「伊加麻」という谷がある、とも。

当社の例祭は10月15日に近い日曜日。直接当社と関係あるかどうかは不明だが、当地には奇祭「かわかんじょう」がある。

毎年8月1日の夕刻に行われる伝統行事で、暴れ川とされた狩野川の水霊を鎮め、水害から村を守るためと、水難者を供養するための盆の行事。

約3メートル四方の竹枠に麦藁を敷き詰め、厚さ1メートル程のイカダを作り、その中央に長さ5-6メートルの松明を立てる。

これを当社の下あたりの狩野川まで運んで、松明に火をつけ、10人ほどの若者が操り、「ウ、ウ、ウワハイ」と囃す。

これを神島橋の上にいる子供たちが受けて返し、神島橋の下流まで囃子声とともに松明が燃え尽きるまで流していく。

【ご利益】
地域安全、諸願成就
神益麻志神社 静岡県伊豆の国市神島
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