布勢天神山城跡「布勢の山王さん」、式内由緒ある境内社
[住所]鳥取県鳥取市布勢1
[電話]0857-28-4371

日吉神社(ひえじんじゃ)は、鳥取県鳥取市布勢にある神社。湖山池の東、山陰本線の鳥取大学前駅と湖山駅の南。山王宮日吉神社とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。

室町時代の文和3年(1354年)、因幡、但馬など6ヶ国の守護職だった山名時氏が布勢天神山に城を構え、近江国比叡山山麓坂本の御分霊を勧請して祀ったのが起源。

標高40メートルの卯山に鎮座する。国の史跡である布勢古墳と同じ丘陵にある。当社の参道左手に広い曲輪があり、「山王社裏山城」と呼ばれる。

昔から「布勢の山王(さんのう)さん」とも呼ばれ親しまれている。当社境内には、山王の神の使いとされる猿の彫像が多数奉納されている。

拝殿前には金幣を持つ狛猿一対が安置されている。当社は、小児の疳を治す神として有名で、子どもの守り神、安産の神としても崇められている。

例祭は5月15日だったが、現在は5月5日。和紙に包んだ小さな猿のお守り「おさるさん」の配布が行われる。

男の子は白い猿、女の子には赤い猿。着物に縫いつけたり、お守りにして肌身離さず身につける。

翌年のお礼参りに、成就のお礼や災難などが「去る」願いを込め、新たに猿の縫いぐるみを加えて当社に奉納する。

境内社に天穂日命社(天穂日命)がある。『延喜式神名帳』にある「天穂日命神社(因幡国・高草郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

市内福井に天穂日命神社という式内同名神社があるが、当社地はその天穂日命神社の旧地ともされている。

室町期の布勢天神山城の築城に先立って、周囲は古くからの聖地だった可能性が高い。天穂日命社の後ろには椿の御神木が祀られている。

社務所の裏に宝篋印塔がある。「山王社地宝筐印塔」として市指定有形文化財。製作年代は不詳だが、南北朝時代の前期から中期にかけての頃と推察されている。

石塔は花崗岩で作られ、表面の摩滅が著しく、相輪部は失われている。基礎側面に「中心飾りつき格狭間」があり、これは但馬・丹波地方の特色。

江戸時代前期の『因幡民談記』に、布施(勢)城図に「ホヒロヒ五リン」として図示されている。

江戸時代中期の『因幡誌』でも、「昔は山王の社前の松原の道より北の方の田の中にありしと、近年社司の後園に安んず。按ずるにその型式宝経印塔なり」とある。

一説に、境内社の天穂日命社の御神体が、この宝筐印塔(穂拾塔)ともされる。ただ、式内の由緒から考えれば、天穂日命社はやはり宝筐印塔よりはるかに先行する。

境内の裏にある布勢古墳からは、湖山池が一望できる。

【ご利益】
子供の守り神、子宝・安産・子育て
日吉神社 鳥取県鳥取市布勢
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