「多胡」「田胡」、氏子に章魚の禁忌も、境内に「広西の宝筐印塔」
多居乃上神社 鳥取県鳥取市国府町広西194
[住所]鳥取県鳥取市国府町広西194
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多居乃上神社(たこのうえじんじゃ)は、鳥取県鳥取市国府町広西にある神社。因美線の津ノ井駅の東、県道194号線を進む。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』因幡国にある法美郡「多居乃上神社二座」に比定される式内社、巨濃郡「大神社/太神社」に比定される式内社(いずれも小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。平安時代前期の貞観15年(873年)7月、正五位下に進んだ。もとは現在地の東150メートルの地に鎮座した。その後、現在地に遷座。

社名「多居」は、「多胡」「田胡」とも書かれる場合があるが、いずれの場合も、発音は「たこ」。当社氏子には章魚(タコ)を食さないという禁忌がある、とも。

田胡大明神とも、多胡大明神とも。この「多胡」の社名から、古代帰化人集団の祀る神社であるとする説がある。群馬県には「多胡碑」がある。

「乃上」というのは、一説には、昔、川側にあったものを一段高い地に遷したため、本来の「多胡」の「上」となったという。

江戸時代前期の貞享5年(1688年)、社殿造営の記録が残る。明治5年(1872年)、村社に列し、明治40年(1907年)には神饌幣帛料供進社に指定された。

御祭神は『延喜式』神名帳通り二座、大穴牟遅命須勢理毘売命。大正6年(1917年)、 下記の各社を合祀した。

・大字法花寺字土居鎮座の今衣神社(菅原道真命)
・大字庁村字大木本鎮座の庁村神社(須佐之男命
・大字町屋字向土居鎮座の小早神社(速佐須良媛神)
・大字町屋字上土居鎮座の町屋神社(須佐之男命)
・当社境内の笹井神社(少毘古那神

大正13年(1924年)、本殿・拝殿を改築した。例祭は3月29日。

境内の片隅に、室町時代作の宝筐印塔が二基ある。「広西の宝筐印塔」として、市の指定文化財・保護文化財。

なお、式内社「大神社」の論社は他に、いずれも岩美町で、太田の美取神社、浦富の荒砂神社、岩井の御湯神社が合祀したものがある。

【ご利益】
地域安全、家内安全、夫婦和合
多居乃上神社 鳥取県鳥取市国府町広西
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