多摩丘陵「お伊勢の森」、1月やぶさめ、珍しい手水の狛犬
[住所]神奈川県川崎市麻生区高石1ー31ー1
[電話]044-954-2332

高石神社(たかいしじんじゃ)は、神奈川県川崎市麻生区高石にある神社。小田急線の百合丘駅から徒歩12分、急な坂道を登る。参拝すれば、御朱印を頂ける。

海抜130メートル、市内多摩丘陵の「お伊勢の森」。もとは高石神明社などと呼ばれ、江戸時代前期の承応3年(1654年)、創建された。

御神体には、承応3年の紀年と、地頭加賀美金右衛門尉正吉の建立と記されている。『新編武蔵風土記稿』高石村の条にも「伊勢宮」とある。

明治6年(1873年)、神明社に改称。大正11年(1922年)、村内の熊野社、御嶽社、春日社、富士浅間社、八幡社などを合祀、現社号に改称した。

このうち、熊野社、春日社、八幡社も『新編武蔵風土記稿』に記載されている。特に熊野社は江戸時代初期の元和7年(1621年)の棟札がある古社。

さらに、熊野社では江戸時代中期の宝暦3年(1753年)、幕末の安政4年(1857年)の再造棟札が現存している。

大正の合祀の際、神明社、熊野社の解体材を用いて、本殿、教殿、拝殿の三殿を造営した。

昭和58年(1983年)、江戸期以来のこれらの本殿の老朽化にともない、社殿再建が決まり、翌昭和59年(1984年)から工事が始まった。

同年3月に社殿を解体し、4月に地鎮祭が行われ、5月には上棟式が行われ、11月上旬には境内地整備含めて、すべて完了した。

主祭神は天照大神。熊野社の家都御子神・速玉大神・夫須美神、春日社の武甕槌命伊波比主命天児屋根命・比賣神、八幡宮の応神天皇を併せて祀る。

例祭は9月21日で秋季例大祭。7月27日には夏季大祭、天皇祭がある。毎年成人の日に、五穀豊穣を祈る伝統行事の「やぶさめ」が行われる。

当社の流鏑馬は江戸時代から続く正月行事で、馬に乗らず立ったまま矢を射るのが特徴。また、節分には境内3方向に舞台が設置され、年男などが豆まきを行う。

境内には多数の句碑が並んでいることでも知られる。句碑神社などとも呼ばれる。また、特徴的なのが狛犬。

昭和59年11月に奉納された手水舎に置かれた狛犬。阿の狛犬は口に咥えた筒から水を水盤に落とす。一方の吽の狛犬は手水舎を見つめる形で置かれている。

阿吽とも向きが違い、さらに阿吽が逆配置でもある。水噴き狛犬と呼ばれるもので、石造のものは貴重。全国に数例しかない。

長崎諏訪神社と鳥取市の利川神社のものは幕末までさかのぼるが、他には奈良市の手向山八幡宮、所沢市の中氷川神社などで確認されているだけ。

他に、明治43年(1910年)9月に奉納された、石工吉澤耕石によるかなり個性的な顔つきをした狛犬がある。

【ご利益】
開運招福、身体壮健、厄災除け、五穀豊穣
高石神社 神奈川県川崎市麻生区高石
【関連記事】
神奈川県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、神奈川県に鎮座している神社の一覧
高石神社 神奈川県川崎市麻生区高石の御朱印