市之瀬灌漑の守護神かつ総社、式内参考社の御子社を合祀
[住所]石川県加賀市山代温泉39-1
[電話]0761-76-0349 - 服部神社

市之瀬神社(いちのせじんじゃ)は、石川県加賀市山代温泉にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創祀年代は不詳。戦国時代の永禄2年(1559年)8月、作見城主藤丸氏が造営したという記録が残る。その際は、山代神社とも、山代神明宮とも称したという。

江戸時代前期の寛永2年(1624年)、大聖寺城代吉田伊織が山代領に新田を開くため、久世徳左衛門に命じ、当社地に灌漑用水の勧進場を設けた。

同年9月中旬には山代新村に至るまで竣工したという。加賀藩3代前田利常は用水工事に神助が多く、これも神明宮三神の助けと感謝。

そこで寛永6年(1628年)、久世徳左衛門を神職とし、東西5間南北12間の社地、田地1町・草高16名を神領として寄進した。

以来、市之瀬灌漑の二十余村の総社とし、市之瀬鎮護の神として尊崇された。江戸時代後期の文政6年(1823年)、湯元神明山に遷座した。

明治35年(1902年)、現社名に改称、明治40年(1907年)2月には現社地に再び遷座し、同年に中野社(中野神明宮)と合併合祀、村社に列した。

昭和18年(1943年)、神饌幣帛料供進社に指定された。平成5年(1993年)、本殿・幣殿・拝殿を改築した。

御祭神は、天照皇大神大穴持命・山代日子命。例祭は8月16日。

山代日子命は『出雲国風土記』に記載され、大穴持命の子。出雲国意宇郡山城郷は同神にちなみ命名された。

この山代日子命を祀っていることで、気多神の御子神とされ、『延喜式神名帳』にある「気多御子神社(加賀国・江沼郡)」に比定される式内社(小社)の参考社とされる。

式内参考社は、当社が合祀した神明宮ともされるが、山代神明宮のことか。その神明宮に御子社が祀られており、その御祭神が山代日子命。

もっとも、式内社「気多御子神社」は通常、小松市額見町の式内同名神社に比定される。

【ご利益】
事業成功、開運招福、厄災除け
市之瀬神社 石川県加賀市山代温泉
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