「崎」「岬」の神、平安期に遷座、江本大明神、神を守る祝の制度
佐支神社 福井県三方郡美浜町久々子6-4
[住所]福井県三方郡美浜町久々子6-4
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佐支神社(さきじんじゃ)は、福井県三方郡美浜町久々子にある神社。小浜線の美浜駅の西、久々子湖の東岸、久々子寺山公園。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 北陸道神 若狭国 三方郡「佐支神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もとは、古崎という地に鎮座したため、現社号の「さき」が定まったという。

平安時代、『延喜式』後間もなくの天慶年間(938年-947年)、旧三方町家傍から現在地に村ごと移動、的場、あるいは小島崎と呼ばれた今の地に鎮座した。

戦国時代の元亀年間(1570年-1573年)、兵火によって焼失、 後に再建されたと伝えられている。

近世までは江本大明神と呼ばれていたが、明治4年(1871年)に式内社に比定され、以後、現社号に復した。

明治41年(1908年)、宗像神社など末社8社を合祀した際、社殿の新築・造営に着手、大正元年(1912年)12月には本殿が、翌大正2年(1913年)12月には拝殿が落成した。

大正3年(1914年)11月、村社に列し、翌大正4年(1915年)1月には神饌幣帛料供進社に指定された。

御祭神は素盞嗚尊。例祭は12月8日。ただし御祭神については、『平成祭データ』では佐支大神となっている。

「崎」「岬」など湖に突き出た地形によって社名が採られていることから考えると地元特有の土地神、あるいは湖神か。

氏子の中に1年交替の「祝(ホゥリ)」と称する制度がある。毎年12月8日の例祭後、祝の交代引総の式を行う。

祝は毎朝午前4時に起床し、直に寒水を浴して身を清め、心を鎮めて社頭に参拝、燈明、掃除など所定の勤役行務を行う。

自宅には別に一室を新設し、ここに常駐して、他人や婦女子を入れない。これを水行事と呼ぶという。

厳しい戒めではあるが、1ヶ月もすれば慣れてくるといい、これを履行したものは今まで風邪をひいたことがないという。

前年の祝を本祝と称し、2ヶ年は火を分けるという。祝は在役中、決して他家に行って飲食せず、飲食する時は自ら用意する。

新祝に不幸・不浄の厄などがあれば、代役を立てる。祝は神を守る使命を担うという。

【ご利益】
家内安全、一族・子孫繁栄、五穀豊穣、厄災除け
佐支神社 福井県三方郡美浜町久々子
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