「金子神社」、弥生遺跡や古墳から祭祀に関わる儀器が出土
那須加美乃金子神社 長崎県対馬市峰町志多賀289
[住所]長崎県対馬市峰町志多賀289
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那須加美乃金子神社(なすかみのかなこじんじゃ)は、長崎県対馬市峰町志多賀にある神社。上対馬の東側、県道39号線、志多賀川を挟んだ対岸。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 対馬国 上県郡「那須加美乃金子神社」に比定される式内社(小社)の論社。

境内入口の鳥居扁額には「金子神社」とあり、参道の2基の鳥居の扁額には「那須加美乃金子神社」と刻まれている。

創祀年代は不詳。古号は、那祖師といった。小鹿と志多賀の間に、「神山」と呼ばれる不入の霊山があった。

その山中に「かなご(時に金子神社とも)」という磐境として祀られていたものを、麓の那祖師社に合祀したのが当社。

また、神山には「本山大明神」という磐境もあり、山中の「かなご」「本山」、麓の那祖師の三社祭祀形態は、豊の那祖師神社と同じ。

式内社「那須加美乃金子神社」という社名は、そもそもが那祖師の御子神の意とされる。平安時代前期の貞観12年(870年)3月、従五位上に叙された。

他の論社に、小鹿に当社および式内同名神社がある。ただし、当社の金子神は小鹿より勧請されていったという説がある。

しかし、小鹿には目立った遺跡や出土物がないのに対して、当社近辺には弥生遺跡や古墳があり、大型の勾玉が出土している。

また、当社には弥生時代の青銅矛13本が保存されており、祭祀の儀器と考えられており、これらの物証は当社が式内社である可能性を濃厚にしている、ともされる。

『神社明細帳』によると、素盞嗚尊五十猛命とともに、この山に八十木種を植え、人が入ることを深く禁じた神霊の地であるという。

御祭神は、須佐之男命・大屋彦命とされるが、大屋彦神・大己貴命とも。須佐之男命は対馬特有の付会、との見解もある。

『対馬神社誌』には、「古は字三浦鎮座の神社にて即ち三浦大明神本山神社」とある。江戸時代前期の貞享3年(1686年)の記録には下記のようにある。
那祖師大明神、朝伊奈大明神、恵比須本山大明神、中原に鎮座。当地と小鹿の境の神山に本山・かなご・かなくら・北山と称される祠がある
例祭は6月14・15日。拝殿横に、水神である罔象女神を祀った変わった形の石がある。

【ご利益】
厄災除け、リフレッシュ、病気平癒
那須加美乃金子神社 長崎県対馬市峰町志多賀
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