「対馬稲作の始め」、白鶴が稲穂を落として稲の神となって奉斎
伊奈久比神社 長崎県対馬市上県町伊奈字元在家330
[住所]長崎県対馬市上県町伊奈330
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伊奈久比神社(いなくひじんじゃ)は、長崎県対馬市上県町伊奈にある神社。国道382号線が県道56号線とぶつかる地点付近で、それとは逆の北西に進む。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 対馬国 上県郡「伊奈久比神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。通称はほのむね明神。火棟神社・穂宗神社などとも記される。御祭神は大歳神

社伝によれば、上古、海神神社を伊豆山に祀る時、白鶴が稲穂を銜えて飛来し、榎田に落とした。稲穂は、たちまち大歳神となり稲の神として祀られたという。

これは、「対馬稲作の始め」。社号の「伊奈」も、稲穂からの転訛。「ほのむね」もここから生まれたと思うが、「火棟」と充てる場合があることの理由は不詳。

古くは大伊奈とも。その稲を落としたところが穂流川。中世、当地は伊奈郡の中心。元寇、文永11年(1274年)の文永の役では、伊奈浜で壮絶な戦いがあったという。

いつごろからか衰微したようで、当地の西にあり、熊野権現と称された志多留能理刀神社の末社になり、祭祀も志多留能理刀神社の方が盛んになった時期もあったという。

明治7年(1874年)、村社に列した。例祭は8月25日で、秋季例祭。

【ご利益】
五穀豊穣、地域安全
伊奈久比神社 長崎県対馬市上県町伊奈字元在家
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